第58号:執事はどこに立つものか。
このお便りは、25574 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、きょうも良く冷える一日でございます。
昨晩は東海地方にも、みぞれ混じりの雪が降りましたが、とくに積雪もなく朝を迎えました。
そちらの空は、どのような色をしておりますでしょうか。
気の重い話で恐縮ですが、今日はまず最初に、残念なお知らせをせねばなりません…。
じつは昨年末に、執事の館・準備委員会の教育係を担当する香流(かなれ)より、
「名古屋の仮住まい」の採用および教育担当を離脱したいとの申し出がありました。
詳しい事情については伺っておりませんが、彼が描いていたお屋敷の給仕と、
準備委員会の変化や、成長の向きが一致しなくなったという説明を受けております。
Twitter で期待の声をお寄せくださいましたお嬢様、旦那様には誠に申し訳ありません…。
仮住まいの見込みが立ち、いよいよ人材の選定に入る段階でこうなったことは、
準備委員会にとっても大きな痛手とはいえ、ここで歩みを止める訳には参りません。
12月より合流した採用係の菊井(きくい)、会計係の烏森(かすもり)、
そして準備委員会の代表の3名で、給仕に立つ人員の選定に着手しております。
今日は、この件について詳しくお伝えします。
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2012年の暮れ、執事の館・準備委員会が立ち上がってから、はや一年が経ち、
これまで寄せられた履歴書の数は80を越えます。事前の相談、問い合わせを含めれば、
合計して100を超える申込みがあったと言えましょう。誠に有難いことであります。
しかしながら、お嬢様、旦那様もご存知のことと思いますが、
名古屋の仮住まいに至るまでに幾多の紆余曲折がございました。
まずは準備委員会のメンバーで全ての履歴書に目を通したうえで、応募者各位に対し、
アンケート形式の問い合わせを実施しました。ご参考までに、下記に設問を列記します。
・執事の館・準備委員会を知った経緯(200字以上で、詳細に。)
・あなたがお屋敷で貢献できること(200字以上で、詳細に。)
・希望する呼称(名古屋の地名からお選びください。
・その名前を選んだ理由(200字以上で、詳細に。)
・特技と言えること(200字以上で、詳細に。)
・お父上をどう思われますか。(嫌い/すこし嫌い/どちらでもない/すこし好き/好き)
・なぜ、そのように思いましたか?(200字以上で、詳細に。)
・人生で最も上手くいったこと(200字以上で、詳細に。)
・人生でもっとも挫折したこと(200字以上で、詳細に。)
・希望される年収
・その他、希望される事柄
設問それぞれに意図がございますが、共通して「200字以上で、詳細に」記述を求めたのは、
正解のない問いに対して、どう筋道を立ててプレゼンテーションがするかを見ております。
たとえば主から「お勧めの紅茶を飲ませて欲しい。」と申し付けられたときに、
黙ってティーカップにセイロンを注ぐのは、少なくとも正解とは言えないでしょう。
(それが「任せる。とにかく温かいものを。」と仰られたなら、話は別になりますけれども。)
現在、執事の館・準備委員会では、なるべく前職や経験を重視せずに選定を行なっております。
大切なのは相手に伝えようとする、届けようとする心であり、紅茶やお菓子の知識ではありません。
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加えて、従業員の採用においては、採用する年代のバランスを重視をしております。
かねてより話題になっておりました「じいや」「ばあや」の採用は、「名古屋の仮住まい」の
大切なミッションであると考え、求人情報の通り、比較的に高齢者の採用を予定しております。
先日、Twitterでもご意見をお聞かせ頂きましたところ、全世代でバランス良くという声が多く、
20代から60・70代までの人材を幅広く雇用する方針で、スケジュールを調整しております。
これまで寄せられたご応募は、大半が20代、30代の若い世代に偏っておりましたので、
必然的にこの世代の競争率は高く、高齢の世代に対して門戸を開く結果となりそうです。
ご存知のとおり「名古屋の仮住まい」は、1期工事、2期工事と段階を踏む計画をしております。
1期工事で準備できるお席の数から逆算して、雇用する従業員の数は多くても10名でしょう。
したがって多くの応募者様には、2期以降の採用か、もしくは時計修理、かばん修理などの
下積みにあたる部門への案内を順次、行なっているということです。
お嬢様、旦那様には、内定をした従業員から順次履歴書を預かり、
主の手帳からご覧頂けるようにして参りますので、もう暫くお待ち頂ければ幸いに存じます。
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さて「名古屋の仮住まい」の工事については、もうすぐ建築確認申請の結果が出る頃かと存じます。
これと並行して準備委員会は開館後の運用を想定し、お部屋やお手洗いのレイアウトを微調整。
最初にお使いいただく白の部屋は、テーマカラーの「白」が映える明るさを確保して、
お手洗いは個室の広さよりも室数を増やすよう、建築係の橘(たちばな)が知恵を絞っております。
現在、意匠係の高岳(たかおか)が、国内メーカーを中心に壁材やカーテンなどの素材、
棚やワゴンなどの家具什器の選定を進めておりますので、下旬にも明らかになるかと存じます。
https://twitter.com/butlers_house/status/417119867326566400
https://twitter.com/butlers_house/status/417123028019851264
https://twitter.com/butlers_house/status/417133062762143745
近日中にお届けする、建築係の橘(たちばな)からの手紙を、お待ち頂けれますと幸いです。
(そういえば、またお勧めしたい書籍があると申しておりましたね…。)
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ところで「愛知県小牧市のバウムクーヘン」は1月後半の発送を待たずして、
2月分の計画が決まりましたので、ここに報告をさせていただきます。
2014年2月 7日(金曜日)発送分:200箱
2014年2月14日(金曜日)発送分:200箱
2014年2月21日(金曜日)発送分:350箱
2014年2月28日(金曜日)発送分:350箱
1月の下旬からは、バレンタインデーを迎えて、製菓業界が活気づく時期と伺っております。
「愛知県小牧市のバウムクーヘン」を焼いている工房には、なんと1万個以上のオーダーが入り、
いっときは生産を見合わせるか…という話もございましたが、生産者一同、たっての希望で、
わずかながらお届けできる見込みとなっております。
申し付けは、【2014年1月18日(土)午前11時15分】を予定。
これまでと異なり午前中の申し付けとなりますことを、何卒ご了承くださいませ。
なお前回のお手紙にて、1回の申し付けで複数のお品を、別の宛先にする方法に触れましたが、
手帳係の情報共有が不十分で、実装前の見切り発車となってしまいました。申し訳ありません。
すでに申し付けをくださったお嬢様、旦那様には、お手数をお掛けしますが、
「申し付けた品を確認する」より申込みの詳細を表示したうえで「特記事項」の欄に
「お送り先の氏名」「郵便番号」「宛先」「電話番号」をお書き添えくださいませ。
それを受けて、準備委員会側で伝票を書き換えますので、何卒よろしくお願い致します。
来週17日の発送が迫っておりますので、あす13日(月曜日)の午後5時で締切り、
伝票の出力作業に着手致します。
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最近、お嬢様、旦那様のお時計やお鞄、お靴の具合は如何でしょうか?
年末の大掃除でクローゼットから発掘されたお鞄や、汚れが目立ったきたお財布、
止まってしまったお時計や、ベルト、電池の交換など気軽にご相談くださいませ。
最初の相談に給金は頂いておりません。実際にアイテムをお預かり、職人によるチェックのあと、
お見積もりを差し上げます。(予算に合わなければキャンセル、着払いでの返却も可能です。)
■時計の修理を任せる https://www.butlers-house.net/order/watch-repair
■かばん・財布の修理を任せる https://www.butlers-house.net/order/bag-repair
■靴・ブーツの修理を任せる https://www.butlers-house.net/order/shoe-repair
■革シートの修理を任せる https://www.butlers-house.net/order/sheet-repair
■別宅の新築・建替えを任せる。 https://www.butlers-house.net/order/architect
さらに執事の館・準備委員会は先週、数十年にわたって名古屋市内で、宝飾品を扱う商社と会合。
アクセサリのサイズ直し、リフォーム、オリジナルラインを実現する計画を打ち合わせました。
早ければ春にも、修理の申し付けからご案内できるかと存じます。気長にお待ちください。
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そういえば、来週末の18日から映画「黒執事」の封が切られるそうですね。
原作との違いやキャスティングなど、制作発表から話題になったこともあってか、
私たち準備委員会が外で打ち合わせるとき、話題に挙がることも多々ございました。
http://wwws.warnerbros.co.jp/kuroshitsuji-movie/
大前提として、お嬢様や奥様が映画をお楽しみ頂けるのであれば言うことはありません。
くわえて執事という職業が認知されることは、とても喜ばしく、歓迎すべき事柄かと存じます。
しかし、これは私だけかもしれませんが、映画「黒執事」のポスターやWebサイトなどで、
執事(セバスチャン)が、その主(シエル)の前に立つ構図が目につきます。
参考図書としてお借りした原作でも、滅多に前に出て来なかったはずの執事が、
全面に押し出されている点は、エンターテイメントと割り切れれば良いのですが、
そうして世の中の執事像が形成されていくことを、すこし懸念する次第でございます。
執事の館・準備委員会は、従業員それぞれの個性や魅力を尊重したいと考えております。
しかし執事はアイドルでもタレントでもないということ。お屋敷は空想の物語ではなく、
極めて現実にあるということを念頭に置いて、採用活動を進める所存です。
改めて、お嬢様、旦那様のご理解、ご支援に心から感謝申し上げます。
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準備委員会の設立から今日に至るまでのあゆみは、「過去のお便り(バックナンバー)」から、
ご覧頂くことができます。読了まで半日ほど掛かりますので、なるべくお時間のあるときに…。
http://www.butlers-house.net/blog/entries
博多行きの東海道・山陽新幹線「のぞみ27号」9号車より、
あす、そちらの街に陽が差すことを願いながら。
松原
このメールは、執事の館・準備委員会よりお送り致しました。
執事の館へのご要望、お問い合わせは info@butlers-house.net までお寄せ下さい。
メールアドレスやお名前の書き換え、退会手続きなどは、下記URLから承っております。
https://www.butlers-house.net/member_login