第200号:謝辞。
このお便りは、30853 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、本日はいかがお過ごしでいらっしゃいましたか?例年、年の瀬が近づくにつれて、
お食事やパーティのお誘いが増すいっぽう、手元に熟さなければならないタスクが山積みになります。
なかには、お断りを差し上げづらい関係性もおありでしょう。気疲れのようなものはございませんか?
こうして、ときおりお嬢様、旦那様にお便りを差し上げることが、わたくし松原の習慣になって、
はや数年が経ち、きょうで通算200号を迎えた次第でございます。毎号、手をつけるまでに悶々として、
気づけば夢中になって筆を進め、ろくに確かめずに送信、書き間違いや漏れも多々あったかと存じます。
また主観的な表現によって、ご気分を害したり、誤解を招いたことも…申し訳ございませんでした。
いくら歳を重ねても、自ら取り組んだことがどれだけ受け入れられているか、やはり気になるものです。
お便りを差し上げるたびに Twitter や、メールのご返信などから寄せられる感想を見ては、つど学び、
次への励みにして参りました。また、私たち執事の館・準備委員会のさらなる改善や挑戦への道筋を、
お嬢様、旦那様から教わりまして、やっと #名古屋の仮住まい や #お申し付けの品 などが、
つど実現し、向上し続けていることは申し上げるまでもなく…。過去のお手紙でも述べましたように、
これほどやり甲斐のある仕事はございません。これは、事業に関わる多くが異口同音にする事実かと。
本日は #名古屋の仮住まい の近況、そして #お申し付けの品 の進捗報告に触れず、200通目の節目に
執事の館・準備委員会を代表して、謝辞を述べさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
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まず初めに、お嬢様、旦那様を初めとする主の皆様には、 執事の館・準備委員会の設立以来、
悲願であった #名古屋の仮住まい の開館、そして日々の運営、また様々な #お申し付けの品 の実現と、
それらにご支持をくださいましたことに、心から感謝を申し上げます。いつもありがとうございます。
先日のお便りでも述べましたように、まだご帰宅が叶っていなくとも、お品をお届けしていなくとも、
私たち執事の館・準備委員会の存在を認めてくださっている事実だけでも、十分嬉しゅうございます。
この気持ちに嘘偽りはなく、たとえお手紙を毎号、必ず読み通せていなくともまったく構いません!
時間のあるときに、暇つぶしがてら松原ほか使用人からのお手紙に目を通して、頑張っているな、と。
もしどこかで執事の館・準備委員会の話題が出た時に、知っているよ、と。そうして頂けることが実は、
最も有難いことだと考える次第でございます。ひとは「3つの異なる方向から同じ情報を得たとき」に
普遍的なものとして認知する、という説があり、執事の館・準備委員会はこれに支えられている次第。
もちろん #名古屋の仮住まい にご帰宅をいただいたり、 #お申し付けの品 にご用命をいただくことも、
まことに光栄なことで、常日頃より感謝をしております。前例のない取り組み、非常識なアプローチを
温かく見守りつつ、主(あるじ)と使用人という距離感で楽しんでくださっていることについても、
深く御礼申し上げます。ありがとうございます。
私たち執事の館・準備委員会は、「誰かに喜ばれたい」という私たちのニーズから始まっております。
「驚きをもって喜ばれ、親しまれること。」という事業理念。聞こえは良いかもしれませんけれども、
ここに喜ばせる対象がなければ、そもそも私たち執事の館・準備委員会が存在意義はございません…。
じつはここに小さな矛盾を抱えたまま、構成メンバーや使用人らは日々の執務、給仕に励んでおります。
2者の関係性において、対価(給金)が生じるかどうかは二の次のことでして、お嬢様、旦那様が
私たちの存在を認めてくださっていること自体に価値がある、というのはそういう背景にございます。
出来不出来もございまして、ときには手痛い失敗もございます。それでもお仕えさせていただきたいと
志すのは我々の身勝手とも申せましょう…。これをお許しくださることにも、重ねて感謝申し上げます。
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また、日頃お嬢様、旦那様を初めとする皆様にお仕えするには、私たちだけでは力が及びません。
いわゆる飲食業としての業態をもつ #名古屋の仮住まい にも、小売業にも似た #お申し付けの品 にも、
数多くの業者さん、生産者さん、職人さんの力添えがあって、なんとか成り立つ次第にございます。
食材を卸したり、設備を補ったり、事務や経理を担ったり、ものを届けたり、預かったり…とにかく、
多くのひとの支えあって、ようやくお仕えが成り立っております。これにも感謝せねばなりません。
多くの場合、それぞれの専門分野で頼りにさせていただきますけれども、いかなる領域においても、
「そもそも執事の館・準備委員会とは何なのか?」という説明をして差し上げ、ある一定の水準にまで
ご理解をいただかねばなりません。その前提を踏まえてもなお、一般的な店舗や企業とは勝手が異なり
たびたびご不便をお掛けしております…。しかしこの状況を楽しみ、ともに喜ばれようとなさる方の
多さに、私たち執事の館・準備委員会は心の底から感謝、感激をして、また尊敬を深めております。
「お嬢様、旦那様に喜ばれるため、何ができるのか。どこまでやるのか。」このような議論を、
なんども繰り返し、限られた時間、人員のなかで最大限のパフォーマンスを発揮してくださっています。
私たち執事の館・準備委員会の方針として、愛知・岐阜・三重・静岡からなる東海地方の生産者に、
活躍の機会を提供するというものがございますが、実際のところ貢献しているのは私たちではなく、
お仕事、お手伝いをお願いする各位によって私たち執事の館・準備委員会が支えられている現状…!
関係各位みずからお嬢様、旦那様として「手帳」を持ち、 #名古屋の仮住まい や #お申し付けの品 の
現況を知るように努めていらっしゃることに頭が上がりません。毎度、長い手紙で恐れ入りますが、
お時間の許す限り、目を通していただければ幸いに存じます。いつもありがとうございます…。
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それから、私たち執事の館・準備委員会が採用をして、日々 #名古屋の仮住まい にてお仕えをおこなう
使用人各位にも、この場を借りて御礼申し上げます。先ほども述べたように #名古屋の仮住まい には
前例として参照できるものが皆無に等しく、手探りのなか開館して1年と半年。つど課題に向き合い、
知恵を出し合い、ひとつひとつを解決しながら向上を続ける姿勢に心から尊敬をいたしております。
ただオーダーを頂いて、お皿を運ぶだけではないということ。言葉にして書き表わせば簡単ですが、
お嬢様、旦那様をはじめ、ご帰宅をいただけるお一人ずつ異なる趣味嗜好や、その日の体調や、
近況などを、小さな会話から拾い上げて大切に残されていることは、私たち執事の館・準備委員会が、
当初より実現したかった大切な「お仕え」でございます。この意図を理解して、活用くださる現況に、
改めて感謝をお伝えしとうございます。
また最近では介添係、家事係、給仕係ともに Twitter の活用が目立ちまして、これについても同様に。
成人を迎え、まだ言葉遣いを学んでいる最中の若者も、還暦を過ぎて、スマートフォンと格闘しながら、
お嬢様に…旦那様に…と140文字の枠でめいっぱいの表現をなさっている事実にも感謝しております。
使用人のなかからは、一般的な飲食店と比較すれば、かなり良い環境だと聞くこともございますが、
まだ #名古屋の仮住まい は発展段階にあり、世間相場からして決して高待遇とは言えないでしょう。
それでも、この仕事にやり甲斐と誇りを持ち、さらなる喜びと驚きを追究しようと邁進する各位には、
私たち執事の館・準備委員会も助けられており、またつど刺激を頂いております。
かつて、私たちの認知が広まったとき、「高齢者の積極的な採用」という方針が話題となりました。
社会や行政でもよく話題になるテーマではございますが、いざ取り組むと、意外なところに障壁が。
それはご家庭の事情、体力の限界など…様々にございます。いま #名古屋の仮住まい にお仕えするのは
各位の自助努力があってのこと。これについても、感謝をせねばなりません。ありがとうございます。
皆が皆、定年の90歳を迎えるまでお仕えをすることはないかもしれません。いずれ新しい舞台へと、
進むこともあるかと思いますが、そのときは私たち執事の館・準備委員会が最大限のサポートを以て、
次なる活躍のお手伝いをさせていただく所存。その日が来るまで、共に、末長くお仕えをしましょう!
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ところでお嬢様、旦那様、「三方良し」という言葉に聞き覚えはございませんでしょうか?
これは近江商人の心得として言い伝えられている言葉にございまして、「売り手良し」「買い手良し」
そして「世間良し」の三つの「良し」をまとめて表現したものでございます。売り手と買い手がともに
満足し、また社会貢献もできるのがよい商売である、という意味が込められた訓戒のひとつ…。
執事の館・準備委員会が、延べにして200を数えるお手紙(メールマガジン)をお届けできた背景には、
これまで綴りましたように、主の皆様、業者や生産者の皆様、そして使用人や準備委員会のメンバーが
揃ってひとつのビジョンを共有し、支え合うことによって成り立つものかと存じます。したがって、
わたくし松原が200ちかい手紙をお届けしたことよりも、この間に多くの方のご厚意があったことに
注目し、執事の館・準備委員会を代表して謝辞を述べさせていただきました。
最初は誰しもが、 #名古屋の仮住まい の実現に半信半疑でございました。何を隠そう、わたくし松原も
はじめお話を頂いたときに疑いを持っておりましたし、未だにこの奇跡的な物語のなかにいることを
不思議な感覚で味わいながら、日々楽しくお仕えしております。いつも本当にありがとうございます。
私たち執事の館・準備委員会は、多くの方に支えられ、助けられ、成りたつ事業と断言しましょう。
もしもこのなかで、お嬢様、旦那様に「驚きをもって喜ばれること」があれば、何よりのこと。
今後とも変わらぬご愛顧とお付き合い、何卒宜しくお願い申し上げます。夜更けに失礼いたしました。
加湿器に、曇るガラスの執務室。電池の切れた時計は、午後9時35分を指したまま。
執事の館・準備委員会
広報係・松原(まつばら)
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このお手紙を初めてお受け取りになる主には、事前の説明もなく、
唐突なものに映ったかと思います。何卒、お許しをくださいませ…。
この機会に、私たち執事の館・準備委員会のあゆみをご覧頂けますと幸いです。
(お読みになる際は、過去の号から遡って御覧になることをお勧めしております。)
https://www.butlers-house.net/blog/entries
また「主の手帳(マイページ)」は、手帳係が少しずつ入力欄を追加しており、
これがお嬢様、旦那様のお人柄を知る貴重な機会となっております。
苦手な食べ物、給仕の際のご希望をお書き添え頂ければ、使用人一同がかならず拝見をいたします。
https://www.butlers-house.net/member_login
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