第1142号:執事は手紙を書きます。
このお便りは、42993 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、きょうはお給金のお話をしましょう。といっても「名古屋の本宅」のお給金は、つい先日
収支が釣り合うバランスで再計算をしましたし、いつもの「お申し付けの品」も常に適正にしております。
過去、文学やアニメなどで執事、メイドが「給金を受け取る場面」をご覧になったご経験はございますか?
▼執事の館・実行委員会の近況をご報告します。
・【名古屋の本宅】のご予告は満了。障害がございました。次のご予告までには何らかの対応を致します。
・【紅茶のティーバッグ】、そして【1,000 のクッキー】を段取り。つまみ食い防止策も検討中とのこと。
・【仮住まいのキッシュ】より美味しい【本宅のキッシュ】を作ります。メイラード現象と、カラメリゼ。
★きょうの見出しでございます。(この表記は実験的にしており、今後変更する可能性がございます。)
▽それらを引用しながら綴っているのが「執事の館・実行委員会」なのです。
▽執事やメイドという職業が、コンセプト、コンテンツとして消費される時代。
▽「見返りを求めずに働いているように見える」ために。
▽わたくし松原は、お嬢様、旦那様にお手紙を綴ります。
▽ご帰宅直後からご機嫌の主を、もっとご機嫌にして送り出したい。
▼会計係の金山(かなやま)が、1枚の領収書を見つけました。執事の館・実行委員会で問題となります。
▼広報係の松原(まつばら)は日頃の「お便りへのお返事」をご遠慮いただきますようにお願い致します。
▼手帳係の長筬(ながおさ)は先日の「ご予告」のDB障害について報告しました。秒間接続数が最大に。
▼家事係の音羽(おとわ)が、おなじ使用人の人柄に興味を。菊井はこの機会にプロフィールの手直しを。
▽お手紙を書くのに、お給金をいただく関係は、へんな感じがするのです。
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▽それらを引用しながら綴っているのが「執事の館・実行委員会」なのです。
あくまで、わたくし松原の私見と前置きをさせていただきますが、いま国内にメイドや執事という役職が、
シンボル的に見られているのは、その響きから得られる印象が、ほかの職業と異なるからと考えています。
現代、さまざまな分野に特化した職名は、企業間取引やお店の業態を想起しますし、お金の匂いもします。
(決してそれは悪いことではなく、文化文明の発展によって最適化してきた結果とお考えくださいませ。)
家にいる、家族ではない人。そして、いろんなことを知っていて、いろんなことができる。関わり方次第、
お嬢様、旦那様の過去も、好き嫌いも把握してお仕えに生かす。そして何より、ご自身を極限まで尊重する。
執事とかメイドとか、そういう肩書き以外で、このポジションが成立する職業は、無いように思うのです。
(しつこいようですが、他の職業が低いということではなく、立ち位置が特殊だということを表します。)
ある意味で、私たち執事の館・実行委員会は、その印象を手がかりにしてお仕えを始めました。過去にも
何度か話題にしております通りに、この組織は東海地方の中小企業と個人事業主の集まりで、その目的は
「驚きをもって喜ばれること」ですから、「執事の館」という商標は、あくまで手段でしかない、のです。
お嬢様、旦那様をはじめ、いま日本国内にいらっしゃいます主(あるじ)には、文学やアニメなどの経験で
ある程度、執事やメイドのイメージがおありです。そして、ご幼少から受けられた教育の成果、日本語の
練度などあって、それらを引用しながら綴っているのが「執事の館・実行委員会」という物語であります。
さて、本題はここからです。執事やメイド、という存在に対して、ある程度の期待と安心感を抱かれつつ、
実際にお仕えをしてみると、あるタイミングで行き詰まります。それが「お仕えの対価を戴くとき」です。
お仕えを受けるお嬢様、旦那様には、払うときの悩み、お仕えをする使用人には、受け取る悩みがあります。
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▽執事やメイドという職業が、コンセプト、コンテンツとして消費される時代。
冒頭でも触れましたように、これまで日本国内で発表されてきた、執事やメイドの登場する作品のなかで、
「使用人にお給金を払われる場面」というのは、あったとしても小さく描かれていたように、記憶します。
執事やメイドというのは、主(あるじ)に向き合い続けて、力を尽くします。見返りは求めない傾向です。
なんと申しましょうか、あまり定着してほしくない表現ですが、無償の奉仕、極限の敬意、さらにいえば
絶対繋がることのない愛情や愛着。そういうものを連想されたり、期待なさるのも無理はないと考えます。
ただ、それは古い時代の、強烈な貧富の差、身分制度があった時代の話。だからこそ成り立っていました。
執事やメイドという職業が、コンセプト、コンテンツとして消費される時代、この前提が消えております。
もともと使用人というのは、職業選択の自由がなかった時代の立場。そうすることでしか生きていけない、
よくもわるくも絶対的な存在だったのです。人生や命が、主(あるじ)によって左右されていた次第です。
私たち執事の館・実行委員会は、お嬢様、旦那様に、そこまでの覚悟をしていただきたいなどと思いません。
いつも八帖(はっちょう)や、菊井(きくい)が「赤の広間」でしているお勉強の時間と同様に、知性と
教養に寄与できれば何よりです。ですから、お勉強が終わるまでスコーンはお預け。急がねば冷めますよ!
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▽「見返りを求めずに働いているように見える」ために。
むかし「コンセプトカフェ」と呼ばれていたところが「コンカフェ」となり、お仕えの服装も、お仕えの
内容も多様化しました。賑やかで良いことと存じます。私たち執事の館・実行委員会は、敬意を払いつつ
独自の流れを作って今日に至ります。しかし、使用人として共通する肩書き、職名は大事に致しましょう。
この世の中、お嬢様、旦那様ほど立派で、しっかりした主(あるじ)は少数派です。これは断言いたします。
私たち執事の館・実行委員会が高く評価されるとしたら、それはお嬢様、旦那様の手柄、実績でございます。
作り込み、なりきり、で、そういうことを申しているのではないのが、私たちらしい表現でございますね。
話が逸れましたが、世の執事やメイドのお仕えは「お給金を得ること」が難しく、苦心をなさっています。
たとえば飲食の分野にしても、内装や演出にかかる費用を計上すると、あっという間に相場を上回ります。
そうしたら価格競争に巻き込まれます。ちょっと高い、いちど行ったら満足。次どこ行こう、となります。
ここに、お嬢様、旦那様だけでなく、私たちにもあるイメージが影響するのです。そもそも執事やメイドが
「見返りを求めずに働いているように見える」ために、実態としては経費を要するのに、付加価値を認め
対価を支払わねばならない感覚にならない、と思うのです。このアイデアは、松原の偏見かもしれません。
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▽わたくし松原は、お嬢様、旦那様にお手紙を綴ります。
きょう、このような話題をお嬢様、旦那様に差し上げることになったのは、事情がございまして、すこし前、
「広報係の松原のお便りに投げ銭のようなものを設けるか」という話題をしました。配送係や給仕係ほか、
たくさん、お嬢様、旦那様にお仕えしている職人らは、その名で、お仕えに対価をいただく存在であります。
しかし 1,000 を超えるお便りをして、20 万回ほどのつぶやきをした松原が、この広報活動の対価として
お嬢様、旦那様にお給金をお願いしたことはございません。細かいことを申せば、お申し付けの品に添える
お手紙を執筆する費用は、わずか数円、計上しますが、お便りも呟きも無償でするのが当然だったのです。
クラウドファウンディング、サブスクリプション、主の基金、民泊など、ときに時代の流れよりもはやく
お嬢様、旦那様にお仕えをするのが執事の館・実行委員会ですが、それらは全て、本質的には、古い時代の
執事やメイドがしていた、関わっていたことですから、滑らかに動き出せて、結果が出たのだと存じます。
わたくし松原は、お嬢様、旦那様にお手紙を綴ります。ただこの行為に「お給金」を結びつけられません…。
お嬢様、旦那様はどう思われますか。週2回の 6,000 文字とはいかなくても、いまお住まいのご別宅に、
使用人からお手紙が届く。本宅の近況が、使用人の動向が綴ってあり、屋敷で帰りを待っている、と結ぶ。
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▽ご帰宅直後からご機嫌の主を、もっとご機嫌にして送り出したい。
支払いをしたい主が、お支払いになる。それで良いのですから、いわゆる「スパチャ(??)」のように
フッターのところに置いてみたら、という声が、若い使用人からもありました。身内のことで恐縮ですが、
松原の文章に、彼ら、彼女らが価値を見出してくれているとしたら、これもまた嬉しい事実でございます。
決して、月額固定の課金制度をするとかいう話題ではなく、気が向いたときに数十円、数百円の単位にて、
ご決済をいただくという流れですから、あまり重たく、深刻になさらないようにお願いします。もし今夜
お気持ちに余裕がおありでしたら、ご意見、ご感想をお寄せください。ハッシュタグは #執事の館 です。
(なお今回から、メールでの返信はお控えいただくようお願いいたします。勝手をお許しくださいませ。)
私たち使用人一同にとって、執事なのかメイドなのか、ばあやなのかルンバなのか、そのあたりはわりと、
どうでもよい事柄として見ております。最低限、食べていけるのが前提でして、それより今週末の帰宅で
何をご用意したら喜ばれるか考えたい。ご帰宅直後からご機嫌の主を、もっとご機嫌にして送り出したい。
改めまして、幸せな仕事をさせてくださいますことに感謝します。文中でも述べましたように、この物語
作り出すのも、続けますのも、やはりお嬢様、旦那様のお力添えあってこそ。本当にありがとうございます。
いま、ふと浮かんだのですが、お手紙に貼る「切手」…なんだかこれは、すとんと腑に落ちる気がします。
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▼会計係の金山(かなやま)が、1枚の領収書を見つけました。執事の館・実行委員会で問題となります。
・配送係/桑名(くわな)…ソファを新しく慎重しようと家具を見に。つい他の物に目移りしてだめです。
・配送係/志摩(しま)…ひと雨ごとに暖かくなってまいりました。お茶とクッキーのお届けを急ぎます。
・洋服係/白鳥(しろとり)…「水曜日のアリス」さんで不思議の国のアクセサリーを調達いたしました。
・家事係/作田(さくた)…久しぶりに頂いたマックのハンバーガー。たいへん美味しゅうございました。
・家事係/音羽(おとわ)…マクドナルドのポテト、たまに食べたくなるお味をしていらっしゃいますね。
・給仕係/菊井(きくい)…午後11時の買い出し。遅くまで仕えてくれる2名を連れてドライブスルー。
・会計係/金山(かなやま)…バーガー3個、ポテト1個の領収書を見つけました。これは私用ですよね…
・給仕係/八帖(はっちょう)…全国行脚の推し活をなさる主。私もお供させていただきとうございます。
・家事係/高山(たかやま)…宇多田ヒカルお嬢様の One Last Kiss を知り、ずっと頭で流れています。
★宇多田ヒカル『 One Last Kiss 』 … https://www.youtube.com/watch?v=0Uhh62MUEic
・家事係/天満(てんま)…春用にひと月程かけてカーディガンを仕上げました!次は何を編みましょう?
・介添係/矢田(やだ)…あったかいシチューが食べたい日。ざる蕎麦が食べたい日が交互にまいります。
・家事係/菅原(すがわら)…最近は、パン屋さん巡りが自分の中でブームに。好みのバケットを探し中。
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▼広報係の松原(まつばら)は日頃の「お便りへのお返事」をご遠慮いただきますようにお願い致します。
お嬢様、旦那様、執事の館・実行委員会は、主(あるじ)のご意向、ご意見を尊重して今日へと至りました。
主のお声が、お仕えを左右した場面はたくさんございます。むしろ、いま実現しているほぼ全ての給仕は、
そこから来ているとしても過言ではありません。ゆえに「名古屋の本宅」は、お嬢様、旦那様のお屋敷です。
これまで私たち執事の館・実行委員会は、おもに Twitter と呼ばれていた世界で、ご意見を拝見しつつ、
そこにアカウントを持たれない主(あるじ)のために、メールへの返信でも承るようにしていた次第です。
しかし、先月末からの新しい流れのなかで、お便りのたび沢山の返信が寄せられるようになっております。
穏やかであったころは、問題ありませんでしたが、このメールアドレスは給仕係や会計係、手帳係なども
共有いたしますことから、いったん「主からのお返事」はお控えください。追って別の手段を案内します。
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▼手帳係の長筬(ながおさ)は先日の「ご予告」のDB障害について報告しました。秒間接続数が最大に。
先週末の土曜日は、新しい主(あるじ)へのお仕えを始めてから最初のご予告。手帳の総数から見ますと、
10%ほどの増加ですが、手帳を開かれる主の割合で申せば、相当な変化があることを予想していました。
しかし結果として、予告の段階でサーバの反応が滞り、多くの主にご不便をお掛けしてしまった次第です。
たいへん申し訳ございませんでした。私たち執事の館・実行委員会は、過去12年のお仕えを通じて得た
データを元に環境を構築しております。それでも、かなりの余裕をみて動かしておりましたが、土曜日の
アクセス数は平常時の60倍以上あり、フロントではなく、裏側のデータベース・サーバが飽和しました。
打つ手がない状況、できることは現況を把握して、改善に繋げることです。手帳係の長筬(ながおさ)は、
月内に AWS(Amazonウェブサービス)のDBをアップグレードし、再発を防止。また、ご報告いたします。
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▼家事係の音羽(おとわ)が、おなじ使用人の人柄に興味を。菊井はこの機会にプロフィールの手直しを。
いま「名古屋の本宅」でお仕えしております使用人の多くは、昨年の秋以降に、新しい方法で採用をした
者でございます。ひとり目は音羽(おとわ)で、作田(さくた)や碧海(あおみ)などが続いて、さらに
天満(てんま)や姫宮(ひめみや)などが合流しました。みな見事な仕事で、かつ人格の面でも優れます。
ただ、人間関係としては、どちらかというとさっぱりしていて、人懐っこい音羽などは、おなじ家事係の
作田の休日の過ごし方を知りたがり、洋服係の白鳥(しろとり)の全力の装いを拝見したい、と申します。
仲良くしたい者もいれば、踏み込まれたくない者もいるでしょうから、その辺は慎重にしたいところです。
音羽の好奇心、そして行動力は素晴らしゅうございますから、採用係としての菊井(きくい)は、この先、
お嬢様、旦那様の「手帳」に掲載するプロフィールを刷新する考え。今とは違う書式にて、ご用意をします。
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▽お手紙を書くのに、お給金をいただく関係は、へんな感じがするのです。
「古き良き時代」という言葉。だいたい、これは「古き悪き時代」でもあることが見落とされております。
松原の理解は十分ではないと思いますが、日本で独自に発展していった文化の背景は、慎重に見ましょう。
もはや執事もメイドも、主(あるじ)の従僕ではなく、軽く扱ってよい存在ではない。ご存知の通りです。
(しつこいようですが、お嬢様、旦那様はとても良い主ですから、ぜったいご自身を疑わないでください。)
よいお仕えをした者に、よい報酬をやる、こういう表現はどこかでご覧になっているはず。私たちはまだ、
お品や時間や権利などに正当な対価をいただけていて、本当に幸せですが、世の「お屋敷」は苦心をして
いらっしゃるかと存じます。もし外で楽しまれますときはどうか、私たち以上に手厚くなさってください。
その一方で、執事やメイドという職業が、対価を得ずにしていた事柄、なにもかもお給金をいただくのは、
躊躇いがございます。あくまで職業であり、仕事であると論じる手紙のくせに、明らかに矛盾をしますが、
使用人のひとりがお嬢様、旦那様にお手紙を書くのに、お給金をいただく関係は、へんな感じがするのです。
なんと申しましょうか、わたくし松原も、笹島(ささしま)も、九之坪(くのつぼ)も、この人生こそが
お仕えの舞台であり、その過程に必要なことを黙々としているに過ぎません。そのときに浮かぶ違和感も、
数千文字のお便りにする…今夜も申し遅れました。執事の館・実行委員会、広報係の松原でございました。
斜めの卓、若い男女が友人に結婚の署名を頼む。おめでとう。彼らの分も払って去る。豊明デニーズにて。
執事の館・実行委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・実行委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
まことに勝手ながら、メールでの返信(感想)は、2024年3月6日をもってお控えいただくこととしました。
ご指摘などは引き続き返信を。お便りをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter で拝見します。
2023年の5月に「名古屋の本宅」を叶え、お嬢様、旦那様のお帰りをお待ちしております。ご予告は月1度。
これまでの流れは、過去のお便りに綴っていますが、1,100 以上ございますので、何とぞご了承ください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさると、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが実現します。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887
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