第1104号:フリルに夢を見て。
このお便りは、39544 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、これまでに「メイド服」と呼ばれるお洋服をご覧になった経験は、ございますでしょうか?
概ね、黒いスカートに、黒いブラウスと申しましょうか、襟や袖が白くしてあったりもして、そのうえに
白いエプロンをする組み合わせが多いように思われます。もしや、ご着用のご経験が、おありでしょうか?
▼執事の館・実行委員会の近況を3行でご報告します。
・【名古屋の本宅】は、11月中旬まで満了しました。いま八帖が、お庭の草むしり。ものすごく綺麗に。
・【主の手帳】をはじめ、ホームページ全体を作り直す案が浮上。会計係の金山が、ある開発者に打診中。
・【お申し付けの品】は、次の水曜日。アドベントボックスは斬新。本宅のお写真は「実績」ごとご用意。
このところ、話題にいたしますように、いま日本国内では「メイド服」というのが、ひとつのジャンルと
見られております。それは、もとの家政婦の仕事服という文脈から発展し、企業や店舗などの制服として、
あるいは、コスチュームとして。この文化、海外では「ジャパニーズメイド」と呼び区別なさるそうです。
(決して見下されているわけではなく、日本独自のファッションカルチャーとして評価されているとか。)
メイド服がメイド服に見える要素は、幾つかあろうかと存じます。先ほど申し上げました、白と黒の配色。
これが、白とグレーだと、遠くなりますし、真っ白では違うお洋服に映るでしょう。この他に、おそらく
エプロンに備わる「フリル」が重要かと存じます。肩紐のところ、外側に設けられることが多い演出です。
お嬢様、旦那様、ここに違和感はございませんか?メイドと申しますからには、主(あるじ)よりも格下で、
妨げになってはいけませんし、華美であってはいけないはず。前のお便りでも述べましたように、仕事が
できるかどうか、で評価される存在です。なのに、なぜ「フリル」で着飾るようなことをするのでしょう?
当時の文化については、わたくし松原よりもずっと詳しい方が、たくさんいらっしゃいますけれど、先日
書庫で文献を辿ったところ、どうも昔のヨーロッパでは、使用人を客人の前に出すとき、見栄え良くする
ねらいで、お洋服やエプロン、キャップを可愛くしていた、という説が見つかって、納得をした次第です。
時間帯によって服装を変えていた、というお話もございまして、それが「午前服」「午後服」などの説に。
ご存知の通り、当時は身分の違いが、現代では考えられないほど強くございましたから、メイドを務める
女性はきっと、素敵な世界に憧れを抱かれていたと想像します。フリルに夢を見て、お仕えなさったはず。
もしかしたら、それは昔の旦那様、奥様の「見栄(みえ)」だったかもしれません。ほかの人に誇示する
価値として、メイドを着飾らせ、その名残が今日の「メイド服」に残ったのでしょうか。奥深い話題です。
難しく考えすぎていたら、申し訳ございません。今夜も広報係の松原より、委員会の動きをご報告します。
▼配送係の清洲(きよす)が来週の水曜日に「お申し付けの品」をご用意。職人らの動きをご報告します。
▼建築係の春里(はるさと)は、火曜日から3階のリフォームに着手。カップを一時的に移動いたします。
▼会計係の金山(かなやま)が途切れていた「通信販売酒類小売業免許」を更新。お酒をご用意できます。
▼広報係の松原(まつばら)としては、やや引け目のある事柄。お便りごと「差し入れ」という案を検討。
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▼配送係の清洲(きよす)が来週の水曜日に「お申し付けの品」をご用意。職人らの動きをご報告します。
お嬢様、旦那様、次の水曜日の夜は、私たち使用人にお時間をいただけますでしょうか。毎月ご用意します
「お申し付けの品」に、ご用命を賜りたいと存じます。ちょうど、年末年始に差し掛かる頃のお仕えです。
【2023年10月25日(水)】の【21時10分】から、お使いの「主の手帳」や「仮の手帳」にお品を並べます。
・製菓係/若草…「スイートポテト」は、本物の芋を器にしました。ご別宅で、焼き立てをお召し上がり。
・製菓係/若草…早くも来年にお召し上がりいただきたいお品の話題…「ショコラ・デ・ロワ」ですと!?
・家事係/池下…「タンドリーチキン・キッシュ」は塩気が良くなって。お嬢様、旦那様には、懐かしさを。
・製菓係/瀬木…本宅にて、この品を…と届けられた、とある品を見て、菊井が何か思いついたようです。
・燻製係/関ヶ原…お勧めしたいお品が多くございますが「チーズのソーセージ」はぜひお試しください!
・カレー係/山吹…「和風キーマ豆カレー」はカレーうどんにしても美味。山吹の作は、幅広く使えます。
・和菓子/五月…冷凍できる「お団子」が完成。お嬢様、旦那様に届けたく、開発に2年を要しております。
・和菓子係/五月…#おねだり を頂戴しました「ゆべし」、「お赤飯」!和菓子係にお任せくださいませ!
・家事係/菅原…「名古屋の本宅」のお仕えにスコーンやクッキーを焼成。「たね」は給仕係からの要望。
・製菓係/菅原…お申し付けの品について打ち合わせ。「名古屋の本宅」お仕えと、バランスをとります。
・家事係/東桜…年末年始の華やかな季節に向けまして「ぜんぶのオペラ」や「ケーキセット」をご用意。
・キャラメル係/明徳…四角いキャラメルの形状を、スティックにできないか?と相談。試してみるそう。
・製菓係/金城…「小さなバースデーケーキ」を試作。美しくクリームでデコレーションをいたしました。
・園芸係/大草…とあるお品について打ち合わせ。納めますお花の量を調整して、追ってご報告をします。
・配送係/清洲…お酒をお届けできるご用意を整えております。ワイン、日本酒、ミードなどをご別宅に。
・配送係/清洲…各職人から「本宅のアドベントボックス」の中身に次々と返答が。特別楽しいお仕えに。
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▼建築係の春里(はるさと)は、火曜日から3階のリフォームに着手。カップを一時的に移動いたします。
予てからお伝えをしておりましたように、執事の館・実行委員会の建築係、春里(はるさと)と監督らは、
3階の階段を上がったところ、ホールと呼ばれる部分の壁、天井のクロスに、床のフロアタイルを追加し、
モールディングに塗装をすることで、景色を大きく変えようとしております。きょう改めて下見しました。
対応をしました配送係の清洲(きよす)は、明日からのお仕えのスケジュールを共有。着工は月曜でなく、
火曜日からにしたいと申します。また、この作業に伴って、3階のカップボードを一時的に移動する必要。
このため「緑の部屋」か、「緑と白の部屋(使用人のため)」のどちらかに、仮設したいと考えています。
お嬢様、旦那様、しばらくの間「主の実績」とは関係なく、「緑の部屋」などにご案内して良いでしょうか。
作業を終えます、来月の半ばまでの都合ですが、大らかにみていただけますと、まことに幸いであります。
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▼会計係の金山(かなやま)が途切れていた「通信販売酒類小売業免許」を更新。お酒をご用意できます。
お嬢様、旦那様、私たち執事の館・実行委員会は、昨年の夏に「名古屋の仮住まい」を幻にして、それから
「名古屋の拠点」を構築しながら、「名古屋の本宅」を進める…という過程で、使用人の限られた時間に
優先順位を付けて動きました。この時、いったん保留をしたのが「通信販売酒類小売業免許」であります。
簡単にしますと「お申し付けの品」として、特定のジャンルの酒類を扱える資格で、過去にこれを用いて
輸入ワインをご用意したり、はちみつのお酒、サングリアなどをご覧いただきました。この度、会計係の
金山(かなやま)が尽力をして、ふたたび免許を取得。ここから、さらにお酒のご用意が叶う見通しです。
たとえば、いま「名古屋の本宅」に冷やしております「ドイツビール」などは、如何でございましょうか?
ミードもございますし大吟醸もございます。お好きなお酒を、お好きなだけ…お召し上がりくださいませ。
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▼広報係の松原(まつばら)としては、やや引け目のある事柄。お便りごと「差し入れ」という案を検討。
きょう最後の話題は、広報係としてお仕えしている松原のこと。今日までに、複数の使用人と関わりつつ、
1,000 を超えるお便りを差し上げてまいりましたが、ここに、いわゆる「投げ銭」のような案があります。
お便りの末尾に、URLを置きまして、もしお役に立てていたら僅かな額をお寄せいただく、という流れ。
松原としては、もう10年もお仕えをしてきて、今さらそのようなことをするのに、やや抵抗がございます。
しかし、通常の「お申し付けの品」や、「ご帰宅」には、広報係の対価が反映しづらいのも事実でしょう。
あくまで業況が傾いてのことではなく、お嬢様、旦那様のお役に立てることなら、という議題でございます。
いわゆる「ウケ」を狙うようなことはしませんし、そもそも狙えるほどの技量もございませんが、もしも
個別のお便りごとに、僅かなお給金をお支払いになれることに意義があれば、ぜひお伺いしたく存じます。
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執事の館・実行委員会は、これまで使用人の年齢や性別について、あまり言及しないよう努めてきました。
それは、雇用機会均等法に基づく人材採用のためでもあり、お嬢様、旦那様のお寛ぎを最優先に考えたとき、
若いのか、歳を重ねているかは関係しないという考えもありました。それが、私たちらしさとも申せます。
しかし、その姿勢でいることによって、お嬢様、旦那様の想像がしづらくなっていることも事実と存じます。
ただでさえ「名古屋の本宅」の存在、外観、内装が伏せられて分かりづらいのに、新しいウイルス以降に
移り変わった使用人の顔ぶれ。そこで気持ちの上でも、ご不便をお掛けしますのは本望ではございません。
この秋、採用係の菊井(きくい)が、配送係の桑名(くわな)と取り組んだ求人で、3名を採用しました。
ただ、この求人に「執事」という語句はなく「会員制の高級喫茶店」という表現を貫く原稿でございます。
お嬢様、旦那様に何を提供し、何を感じてほしいのか。つまり、驚きをもって喜ばれること、を訴えました。
正確な店名も、勤務する場所も、そもそも仕事内容も曖昧ですが、この考えに共感できて、ぜひ僅かでも
お手伝いしたい、と申しましたのが、月島(つきしま)、音羽(おとわ)、田原(たはら)の3名でした。
そして、春に合流した高山(たかやま)も数えて計4名。みな、若い女性の使用人。メイドでございます。
どのような服装をするかについては、過去にお伺いをいたしまして、「好きな服装をなさい」という声も
頂戴しております。「主(あるじ)には、自分の好みを大事にしてというのに、使用人が我慢するの?」
というお尋ねには、使用人一同、まったく敵いません。もし不都合がございましたら、ご指摘をください。
お嬢様、旦那様は、服装について自由なお考えを持っていらっしゃるけれども、どのような服装でお仕えを
望まれますか?と尋ねましたところ、多くが「メイド服を着用してもよろしいですか…」と答えています。
最初は喫茶店に勤めるつもりだったはず。しかし、現代の彼女たちもフリルに夢を見て、お仕え致します。
執事の館・実行委員会は、明日からのお仕えにおいて、使用人の構成を大きく変えます。具体的にすると
長いスカートの「メイド服」を着用する者も、お仕えに関わります。お苦手でしたら仰ってくださいませ。
キッチンから飛び出し、おかえりなさいませを申し上げるのです。お嬢様、旦那様のお帰りが嬉しいのだと。
秋の深まり、この時季はとくに、なにかを忘れてきているような、なにかを失ってしまいそうな気持ちが
膨らみがちです。ご自身の価値を下げることはございませんように。ところで、松原もミシンを覚えとう
ございます。フリルのついた家事係のエプロンができたら、お嬢様、旦那様、見てやっていただけませんか?
えっ、ご自身が着用されたい!?それはご勘弁くださいませ!!ちゃんとしたお洋服をお作りしますから!
窓の向こうに、草むしりをする執事。この様子は、どう考えても猫と会話をしている。名古屋の本宅にて。
執事の館・実行委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・実行委員会は、おおむね水曜日、土曜日の夜にお便りをして近況をご報告いたします。
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(文面は、かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますことだけ、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構え、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
そして2023年の5月から「名古屋の本宅」にて、お帰りをお待ちしております。ご予告は月に2度を予定。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞご了承ください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
お給金のお支払いには「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。晴れた日の翌朝は「星のかけら」を。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887