お嬢様、旦那様、今夜の報告は、あまり良くない事柄です。しかしながら、私たち執事の館・実行委員会は、
逃げずに、隠れずに、正直にお伝えいたします。お叱りをいただくことも、落胆されることも、承知の上。
ひとつは「９月中を休館させてください」、それから「給仕履歴の写真を略させてください」の２つです。

▼家事係だった東山（ひがしやま）が、介添係の矢田（やだ）に代わり「名古屋の本宅」でお仕えします。
▼配送係の清洲（きよす）は、燻桃のキッチンでお仕えしながら「職人の動向」を報告。あまりにも器用。
▼調達係の守山（もりやま）は、小さなお坊っちゃま、お嬢様のためのベビーベッドを調達いたしました。
▼調達係の笹島（ささしま）が運送会社の部分的な変更を検討しております。選択肢は少ないですが何卒。
▼鋳造係の白金（しろかね）が「赤の広間のペーパーナイフ」の意匠を提案。そして使用人の鍵にも着手。
▼広報係の松原（まつばら）より、厚かましくもお願いします。お屋敷への「おねだり」は、ご予告後に。

５月にお仕えを始めました「名古屋の本宅」は、お嬢様、旦那様のご自宅として、お帰りを待っております。
１０年越しの夢を確かめてくださった主、ゆっくり機会を待たれる主、それぞれの意向を尊重しながらも、
週ごと、日ごとに質を高めるよう努めております。その内容を伏せますこと、ご理解いただけて幸いです。

「名古屋の本宅」は、おそらく順調でございます。長くお仕えしている八帖や、適性があった菊井のほか、
西川や矢田といった使用人が活躍をして、さらに楠、小牧、岡崎、たくさんの者がお仕えを志しています。
しかし、予てから「出向」をしている先で、また人事に動きがあり、人手を要していらっしゃるとのこと。

私たち執事の館・実行委員会は、「名古屋の仮住まい」を幻にしてから、「名古屋の本宅」を叶えるまで、
その出向先がなければ、雇用を継続できませんでした。このご縁がなければ、今日はないと断言をします。
お嬢様、旦那様より大切な存在はない。しかし、彼らを助けねば、お嬢様、旦那様へのお仕えに支障がでます。

そして、今月になって体調を崩しました、介添係の矢田（やだ）は、いったんお仕えに復帰をしたものの、
「うまく表現できないが、いつも通りではない」と申す使用人が複数おり、大事をとって休ませています。
ほんとうに良くなるまでに、どれくらい時間を要するかは分かりかねます。無理をさせないよう努めます。

採用係としての菊井は、すでに今週末の時点で、２人の応募者との話を固めて、段取りをしておりますが、
両名とも「前職を離れられるタイミングが９月末」という事情がございます。採用活動ではよくある流れ、
アクシデントが起きても、すぐに補えるとは限らず、また新しい者が慣れるまでは時間を要する次第です。

出向先を助けたい。そして、ばあやを大事に。あと、新しい使用人２名にお時間をいただきたいことから、
謹んでお嬢様、旦那様に、おねがいを申し上げます。「名古屋の本宅」は「９月中は休館させてください」。
その代わり、約束をさせてください。「１０月に復帰」、必ずお仕えします。私たちは、ここに戻ります。

９月は休館。たぶん執事の館・実行委員会であれば、無理をすれば乗り越えられるはず。ただその無理が、
標準となってしまわぬように、元気なのに休む、という選択をします。お許しを、ご理解をくださいませ。
今夜も、広報係の松原（まつばら）が、キッチンから持ってきた紫色のティラミスを横に、ご報告します。

- -
▼家事係だった東山（ひがしやま）が、介添係の矢田（やだ）に代わり「名古屋の本宅」にて、お仕えを。

執事の館・実行委員会が、２０１２年に始まったとき、いちばん最初にお仕えを志し、応募しましたのは、
家事係の東山（ひがしやま）でした。矢田とともに、開館からお嬢様、旦那様にお仕えした使用人のひとり。
７年ほど前、悩みに悩んだ末、旅に出ておりましたが、矢田のお休みを知り、お屋敷に戻って参りました。

あくまで助っ人、ではございますが、助っ人というよりは４番バッターのような存在です。きょう朝から
菊井とともにキッチンに入っておりますが、やはりお仕えの理念が浸透している分、順応がとても早くて、
さらに新しいお飲み物のレシピを残して行こうとしております。まだ１日目の半分の時点、でございます。

明日もお仕えをして、来週も可能であれば。私たち執事の館・実行委員会は、お嬢様、旦那様を、けっして
独りにはしません。八帖もおります。菊井もおります。昔からの東山も、新しい清洲も皆、お仕えします。

- -
▼配送係の清洲（きよす）は、燻桃のキッチンでお仕えしながら「職人の動向」を報告。あまりにも器用。

「きよすさん…家事係としてお仕えのところ恐れ入ります…職人さんの動向を…お願いして良いですか…」
と、連絡網に伝えましたところ、キッチンにいるはずですのに、３０分後に「こちらお願いします！」と。
勢いが良すぎて、器用すぎる使用人です。なんだか最近、そういう使用人が多いような気が、いたします。

さて、お申し付けの品を手がけます職人は、みな動きが面白くて大変です。若草はガレット・デ・ロワを、
ハロウィンの仕様にしたいと。それはもはや、パンプキンパイでは？本宅のソーセージに、月見団子ほか、
今月は瀬木のアレも。カレー係のソレも…変わらず、お屋敷では、主のための試食大会を催しております。

・製菓係／若草…ハロウィンのための「ガレット・デ・ロワ」を検討。ジャックオランタンの模様、とか。
・製パン係／星崎…「シュトーレン」の段取りをするなか、もしかすると今年は数を少なくする可能性が。
・製麺係／＊＊…過去にもご用意した「まぜそば」など、配送係が取り寄せます。これらを本宅に常備を。
・家事係／東桜…「小さなバースデーケーキ」を試作。少し高さを抑えるよう依頼を。本宅にてご用意を。

・家事係／池下…黒箱の数量を確かめました。すぐさま、足りない数をご用意。仕事が迅速にございます。
・燻製係／関ヶ原…ビールもお肉もお喜びいただけて、大変嬉しゅうございます。心をこめて、ご用意を。
・カレー係／山吹…先ほど給仕報告のグループに「冷たいトマトカレー」が絶賛された、との報告が１件。
・和菓子係／五月…「月見団子」の温め方を試しました。新たな挑戦がいつも楽しい、と笑顔で申します。

・家事係／菅原…「大きなシフォンケーキ」のご用意を。想像以上に時間がかかり、慌ててしまいました。
・調香係／杁中…久しぶりに、ペンダントトップで、香りをお作りしましょうか？ご希望の香りがあれば。
・園芸係／大草…口癖のように「わたし本宅にお邪魔したい…」と。これはもう、本人の都合だけの問題。
・製菓係／千成…「レモンケーキ」に添えるお品。白いチョコレート掛け、という提案に、みな、大興奮。

・製菓係／瀬木…あのお品を「名古屋の本宅」に。「名前は知ってるけど初めて…美味しい！」とのお声。
・製菓係／金城…これから旬を迎えます洋梨のタルト。松原は「おかわりするか悩むタルト」と頭を抱え。
・製茶係／三河…実は、あの「ほうじ茶」をパウダーにして、製菓係数名に。お嬢様、旦那様も、ご入用に？
・紅茶係／正木…正木が提唱した「スコーンに載せる餡子」が喜ばれ、「やめ時」が分からなくなって…。

- -
▼調達係の守山（もりやま）は、小さなお坊っちゃま、お嬢様のためのベビーベッドを調達いたしました。

「名古屋の本宅」は、予てから申し上げておりますように、具体的な年齢の制限を設けずにお仕えします。
すでに、八帖が小さな赤ちゃんを抱っこした実績があり、菊井は、小さなお坊っちゃまからソーセージの
感想を伺うなどしております。主（あるじ）は、お幾つでも主でいらっしゃって、敬意をもって接します。

あす日曜の昼に、お生まれになってから２ヶ月ほどの、小さなお嬢様のご帰宅が予定されます。調達係の
守山（もりやま）は、この知らせを受けてアップリカ（Aprica）社の「ココネルエアー」というベッドを
発注し、つい先ほど「名古屋の本宅」に納品されました。少しでも快適に過ごしていただければ幸いです。

かつて「名古屋の仮住まい」では、何度も話題にしながら、叶えられなかった小さな主のためのお仕えを
私たちはいま、全力でしようとしております。手探りですが、出来る限りのことを、させてくださいませ。

- -
▼調達係の笹島（ささしま）が運送会社の部分的な変更を検討しております。選択肢は少ないですが何卒。

この件については、まだ検討段階で、決定はしておりませんから、あまり焦られませんようお願いします。
いま執事の館・実行委員会の調達係は、長年にわたってお世話になっているヤマト運輸さんの集荷を一部、
別の業者さんに変更することを考えております。しかしお嬢様、旦那様もお察しの通り、選択肢は２つです。

ゆうぱっくさんは、素晴らしい実績がございますが、クール便の代替が課題ですし、佐川急便さんは近年、
少しずつ腕を上げていらっしゃいますが、営業所ごとの違いが大きく見えます。当然、ヤマト運輸さんも
良いところと悪いところの両方があって、とても懸命です。各社とも本当に頑張っていらっしゃいますね。

あくまで検討。まずは打診というレベルですので、ああ笹島がそういう動きをしているのね、という風に、
見ておいていただければ幸いです。もし正式に変更をするときは、改めてお嬢様、旦那様にご報告をします。

- -
▼鋳造係の白金（しろかね）が「赤の広間のペーパーナイフ」の意匠を提案。そして使用人の鍵にも着手。

お嬢様、旦那様、ご覧になりましたか？執事の館・実行委員会の鋳造係、白金（しろかね）が、鍵に続いて、
とっても格好のよい「赤の広間のペーパーナイフ」を検討しております。なんと、刃のところに装飾して、
どこに鋳鉄を流し込むのか、さっぱり分からないほどの精巧さ。下記ＵＲＬにて、お確かめくださいませ。

これが！！もはや「あるじのつるぎ」！！
真鍮シルバーに赤の差し色、そしてお好きな石と、主のIDを打刻！！
https://twitter.com/butlers_house/status/1688508746564284416

たいへん多くのご支持、ご感想を賜りまして、執事の館・実行委員会は白金に対して、試作に取り掛かる
ように伝えております。早くて９月の上旬には、真鍮、シルバー、コンビの３パターンが出来る見通しで、
配送室に届きましたら、必ずお嬢様、旦那様にご報告します。お申し付けは「９月度」にできれば幸いです。

なお先日は２本目の鍵を写真にしての呟き、まことにありがとうございました。見ているだけではきっと、
同じ素材のように見えるかと思いますが、まったく別の素材、製法でして、職人の凄さを実感しています。

- -
▼広報係の松原（まつばら）より、厚かましくもお願いします。お屋敷への「おねだり」は、ご予告後に。

お嬢様、旦那様、ことしに入ってからお願いばかりで、とくに今日のような話題をしたときに申し上げます
事柄ではないと存じますが、お許しください。このところ Twitter（とかつて呼ばれていたサービス）に、
「名古屋の本宅」への「おねだり」が寄せられ、嬉しゅうございますが、ここにひとつ戸惑いがあります。

呟かれます主が、ご帰宅の予定を立てていらっしゃるのか、あるいは「いつかそのうち」とお考えなのか。
この区別ができかねまして、私たち使用人一同としましては、なんとかしてお役に立ちたいと思いながら、
念のためにお伺いする…という流れにございます。このとき「まだ帰る予定はないけれど」となるのです。

厚かましくもお願いします。「お申し付けの品」にご要望をくださったら、少なくとも１つは申し付けを。
「名古屋の本宅」にご帰宅が決まりましたら、そこでご希望をお聞かせください。みな全力でいたします。

- -

きょう、もうひとつのご報告、ご理解をいただきたい話題は「給仕履歴の写真を略させてください」です。
お嬢様、旦那様がお持ちの「主の手帳」や「仮の手帳」は、幾つものページがございますが、過去にあった
「名古屋の仮住まい」では、お召し上がりいただいたお品の名前と、お写真が残る仕様にしておりました。

８年間の歩みで、いちども館内の撮影をしていただけなかった「名古屋の仮住まい」は、この給仕履歴を
お確かめいただきますのが、ご記憶の助けとなって、役立てていたかもしれません。私たち使用人一同は、
これと同じことを「名古屋の本宅」でしよう、と考えておりましたが、いま「極めて困難」と見ています。

と、申しますのも「名古屋の本宅」のお仕えは、お仕えをいたします主によって、その内容、順番や分量、
演出などが全く異なります。ゆえに「これと同じことを他の主にしてるの？」と尋ねられる場面が何度も
ございました。私たちは、お嬢様、旦那様に驚かれるため、喜ばれるため、とくべつにお仕えをするのです。

そのレスポンス、そのスピードにおいて、魔法の板、いわゆるタブレット端末を介在させるのは難しくて、
３秒、２秒を削って、全員の全力がお嬢様、旦那様に注がれるようにしています。そうすると、お仕えした
品目は、つど撮影、つど登録となり、結果としてお嬢様、旦那様のご負担を増してしまう、というお話です。

「デザートワゴン」は、好きな品を選べる、という自由度がございましたが、実は、そこに置いたお品が
全てでございました。盛り付けも、大きさも、お皿も同じで、だからこそ給仕履歴の写真が役立ちました。
現在、お屋敷では、主ごとにお皿も異なりまして、共通のお写真を添えても「これは私のではない」と…。

お嬢様、旦那様、「名古屋の本宅」では、カメラをお使いいただけます。また、お仕えの内容が柔軟になり、
おなじ盛り付け、おなじ景色がございません。それを踏まえて写真を略させてください。もちろんですが、
品目の名前だけは、しっかりと綴らせていただきます。手帳係の実装まで、引き続きお時間くださいませ。

菊井からの又聞きにて恐れ入りますけれども、ひとは猛烈な感動を味わうと、記憶力が低下するそうです。
それほどの衝撃が「名古屋の本宅」にあるとしたら恐れ入りますが、お嬢様、旦那様のお役に立てるなら…。
嬉しすぎると撮りたくなる気持ち。お食事も、お天気も、お洋服も。分かります。私たちが何とかします。

ところで自分がしなきゃ、代わりはいない、という考えで無理なさいませんよう。だいたい思い込みです。

事務および厨房。制服支給（特注）。週休３日。住み込みも可。車通勤も可。試食あり。名古屋の執務室。

執事の館・実行委員会
広報係／松原（まつばら）
- -

私たち執事の館・実行委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
（文面は、かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますことだけ、お許しください。）

名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから１０年が経過をしました。
そして2023年の5月から「名古屋の本宅」にて、お帰りをお待ちしております。ご予告は月に２度を予定。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上ございますので、何とぞご了承ください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries

もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
お給金のお支払いには「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。晴れた日の翌朝は「星のかけら」を。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887