第1060号:ワゴン、見送って。
このお便りは、40208 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、執事の館・準備委員会は「名古屋の本宅」のリハーサルを通じて、たくさんの発見をして、
この先のお仕えの、あるべき姿が見えてまいりました。この中で、すこし大きな決断をしたいと存じます。
「名古屋の仮住まい」にて8年、続けました「デザートワゴン」を無くし、より驚かれることを致します。
▼手帳係の長筬(ながおさ)は、ご帰宅の予告をしていただく流れを「ご予告のリハーサル」として準備。
▼配送係の清洲(きよす)より、クロネコヤマトさんの「お荷物の転送」にかかる変更を、ご報告します。
▼介添係の矢田(やだ)が「使用人の動向」をご報告。使用人の感性が、少しずつ広がりつつございます。
▼建築係の監督(かんとく)は、納品待ちであった建具の部品が届き次第、作業します。これにて完了と。
「お好きなものを、お好きなだけ」という考えを、お嬢様、旦那様のために体現しておりましたのが、我々、
執事の館・準備委員会の「デザートワゴン」でございました。「名古屋の仮住まい」の「白の部屋」にて、
2台のワゴンに、およそ30種類のお菓子、お料理を並べて、お召しになりたいお品をお伺い致しました。
当初、執事の館・準備委員会は「名古屋の本宅」の2階、「赤の広間」に「デザートワゴン」を再現する
考えでございました。しかし、リハーサルで実施した仮定のシークエンス(順序、順番、並び、配列)で、
多くのゲストに喜ばれ、かつ可能性を感じます。現実的な問題として、ロスも極限まで少のうございます。
かつて「デザートワゴン」が成立したのは、1日あたり20の主(あるじ)をお迎えし、かつ金曜日から
火曜までの5日間、連続してお仕えしていたからでございます。見本としてご覧いただくお品を、たとえ
毎晩、幻にしてしまっても成り立つ次第です。しかし、水面下では、お品の欠品を防ぐ努力がありました。
決して過去を否定する意図はございませんけれども、「デザートワゴン」の驚きは最初の1回目が最大で、
2度目以降のご帰宅では、良くも悪くも慣れがございます。それを「ご自宅」の価値を位置付けることも、
マンネリズムと表現することもできました。私たち使用人一同は、その微かな懸念を9年抱えていました。
一通りのリハーサルを終えた段階で、調達係、そして、僭越ながら広報係の松原が、作り手に許しを得て
家事係の「盛り付け」と給仕係の「お仕え」に案を出しました。これを皆で試したところ、過去にはない
楽しさ、面白さができたように思います。ワゴンではなく、1品ごとに演出する方法にしとうございます。
誤解を恐れずに申し上げますなら、アラカルトだったものを、コースにするということ。したがいまして、
短い間隔で、次のご帰宅をなさいますと、大きな変化がございません。その点はどうかお許しをください。
ただ、常識と非常識を組み合わせ、お嬢様、旦那様の喜びをつくる使用人たちのお仕えに、どうかご期待を。
「多めに焼いたクッキー」はなく、「予備のキッシュ」もなく、ゆえに「つまみ食いをして差し支えない
お品が存在しない」のが燻桃のキッチン。さすがの松原も、主のぶんに手を付けることはいたしかねます。
ワゴン、見送って。つぎにご案内しますのは、驚きと喜びのフルコース。今夜も松原より、ご報告します。
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▼手帳係の長筬(ながおさ)は、ご帰宅の予告をしていただく流れを「ご予告のリハーサル」として準備。
今月末に、初めて「名古屋の本宅」でのご帰宅を叶えたい執事の館・準備委員会は、手帳係の長筬たちが、
お嬢様、旦那様の「手帳」や「目録」を手直ししております。私たち使用人一同は、1日も早く、ご予告を
賜りたいと存じますが、予定しても予定通りにならないのが開発のお仕えとご理解いただけたら幸いです。
いま長筬たちは「ご予告のリハーサル」を実現しようと、熱心にしております。ご予告の流れを前もって
お嬢様、旦那様にご経験いただきますことによって、実際のときに役立てていただきたい考えでございます。
また、事前のサーバの負荷テストを兼ねまして、スケーリングの目安にもしたいと長筬が申しております。
ご予告の方法と、その日付について、場合によって「お申し付けの品」を避けて、号外を差し上げるかも
しれません。実際のご帰宅までの日が短くなりますことを、重ねてお詫びします。よろしくお願いします。
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▼配送係の清洲(きよす)より、クロネコヤマトさんの「お荷物の転送」にかかる変更を、ご報告します。
お嬢様、旦那様、先日「お申し付けの品」の多くを運んでいただく、クロネコヤマトのヤマト運輸さんより、
「転送時の運賃受領を開始する」とお知らせがございました。お品の伝票に記載された住所「以外」への
転送を依頼なさった場合に、伝票のご住所から、転送先ご住所までの料金を求められる変更でございます。
これまでは無料で、ご厚意でしていただいておりましたが、全国一律、6月1日発送分より適用されます。
もし、伝票の作成後に転送を依頼なさった場合には、これにかかる料金は着払いとなり、お嬢様、旦那様の
ご負担となるため、お呼びかけしました。お品の伝票は、一部を除き、発送の1週間前に作成いたします。
もし事情あって、伝票の発行後にお届け先の変更をご希望の場合には「delivery@butlers-house.net」に
宛ててお知らせくださいませ。配送係の清洲、喜多山が変更できるかを確かめて、尽力をしてまいります。
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▼介添係の矢田(やだ)が「使用人の動向」をご報告。使用人の感性が、少しずつ広がりつつございます。
やってみると、概ねできることがわかります。そうすると、不安が消えて、新しいことにも取り組めます。
「名古屋の本宅」の使用人一同は、これまでにしたことのないお仕えを、新しいところで経験しています。
やはり1日、2日、経験いたしますと手応えがあるようです。良い意味での慣れが、感性をひらくのです。
過去10年の歴史で、これほどまで使用人同士が前向きにアイデアを交換、すぐに実行する場面はきっと
初めてではないでしょうか。松原から見ている限り、お屋敷でのお仕えが好きで、お嬢様、旦那様のことが
好きで、喜ばれたい者たちがおります。ぜひ「白の部屋」や「赤の広間」でご挨拶をさせてくださいませ。
▽5月12日(金曜日)
・介添係/矢田(やだ)…いちごがたくさん届きました。明日と明後日の盛り付けにと調達係がご用意を。
・広報係/松原(まつばら)…拠点のある烏森(かすもり)から、金山駅まで歩きました。およそ1時間。
▽5月13日(土曜日)
・家事係/有松(ありまつ)…本宅にて新しい清住と対面。想像よりガタイがよく驚き。その活躍に期待。
・介添係/矢田(やだ)…使用人が、全員揃ってのお昼休憩は、ほのぼのとして楽しい時間でございます。
▽5月14日(日曜日)
・家事係/星ヶ丘(ほしがおか)…今週のお仕えのために制服にアイロンがけを。少々緊張でございます。
・調達係/守山(もりやま)…海外の職人にお願いしていた「飾り」の塗装に着手。ペンキにドボン、と。
・広報係/松原(まつばら)…ラーメン部としての活動を始めました。八帖と情報交換に勤んでおります。
▽5月15日(月曜日)
・家事係/瀬戸(せと)…リフレッシュがてら、開園22年のテーマパークにてホスピタリティのお勉強。
・給仕係/八帖(はっちょう)…お仕えの度に雨模様が。てるてる坊主を掲げ晴れますようにとお祈りを。
・家事係/菅原(すがわら)…宝箱を開けたら、中に宝箱が入っていてびっくり。松原が飛んできました。
・広報係/松原(まつばら)…ドレッサールームに「ディゾルビット」という洗剤で粘着質を綺麗に掃除。
・調達係/笹島(ささしま)…階段のための「カーペットホルダー」を裁断。下塗りのち、塗装をします。
・調達係/守山(もりやま)…キッチンの扉の内側を「ココアグレイ」から「ローズ」に変更しています。
▽5月16日(火曜日)
・家事係/西川(にしかわ)…扱っている紅茶や食べ物に、まだ解らない点があるので勉強でございます。
・家事係/菅原(すがわら)…お仕えの流れを確認。イメージは掴め、何をお出しするかを悩んでいます。
・介添係/矢田(やだ)…本宅のキッチンにてパティシエール菅原と久しぶりに一緒にお仕えをしました。
・調達係/守山(もりやま)…ドレッサーのための新しい椅子が到着。丸みを帯びた、かわいいデザイン。
・家事係/宝飯(ホイ)…制服のための採寸をしてまいりました。パンツスタイルを希望してございます。
・電気の職人さん…キッチン、洗面所にダクトレールを設置。白の部屋のスポットライトも交換しました。
・広報係/松原(まつばら)…シフォンケーキを提供する流れを考案。しかしここでは伏せておきます…。
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▼建築係の監督(かんとく)は、納品待ちであった建具の部品が届き次第、作業します。これにて完了と。
「名古屋の本宅」は、今週も電気の職人さんが入られまして、長らく保留されていた、1階のキッチンと、
1階の濃青の洗面所の天井に「ダクトレール」という、取り外し、移動可能な照明のレールができました。
ここに守山が調達していた、LED照明を設置、たいへん見栄えが良くなりました。矢田も喜んでいます。
また吹き抜けのシャンデリアも、クリスタルや、お皿が入りまして、もとの形状を取り戻しつつあります。
建築係の監督は、スイッチプレートや、鍵の部品などが届くのを待って、お屋敷にお邪魔したいとのこと。
このところ、リハーサルなどでお仕えの最中もございますので、事前に打ち合わせることとなっています。
厳密には、まだお屋敷の工事は終えておりませんが、職人さんの都合を優先し、ゆっくり進めて参ります。
すべての作業を終えましたら、改めてチェックをして修繕します。もう少しだけ、ご辛抱をくださいませ。
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私たちが「名古屋の本宅」を実現するとき、ときどき「思い込み」という罠にかかって動けなくなります。
「お嬢様、旦那様にはノリタケのお皿でないと」「お料理は食べ切れる量でないと」「お屋敷の探検はまず
お食事を終えてから」「音楽はクラシックがよい」いずれも常識ですが、ここに「驚き」はございません。
7つのクッキーが可愛く見えるなら、ノリタケでなくても良いのです。お腹いっぱいで入り切らないなら
お住まいのご別宅にお持ちいただければ良いのです。お食事の最中、クローゼットに行っても良いのです。
お望みならロックでも落語でも流しましょう。なぜならば、なぜならば、ここはお嬢様、旦那様の家だから!
私たち執事の館・準備委員会は、手段よりも、目的を重んじます。お嬢様、旦那様に驚きをもって喜ばれる
お仕えとして「デザートワゴン」も素晴らしゅうございましたが、少なくとも「赤の広間」は、また別の
アプローチが良さそうで、これをご報告いたしました。すでに幾つかの調整をして、今週末にも試します。
ただ、過剰にしますと「家」ではなくなってしまいますから、慎重にいたします。その点ご安心ください。
また実際にご帰宅をなさいました折に、お気付きのことがあれば、今まで通り柔らかくご指摘ねがいます。
私たち執事の館・準備委員会は、実行委員会となっても、お嬢様、旦那様のお声に耳を傾け、お仕えします。
今月末に予定いたします、お仕えのはじまりは、まだ試行錯誤の段階にあろうと存じます。日ごと週ごと、
少しずつ変化したところ、進化したところは、広報係の松原よりご報告いたします。松原自身も思いつき、
執事の館・準備委員会に報告した事柄をお嬢様、旦那様にお伝えします。陰ながらお役に立てれば幸いです。
意図して、あるいは意図せずに、なにかを失ったとき、喪失感に打ちひしがれるかもしれません。しかし、
なにかを手放したあと、8割くらいの確率で、それまでより良いものが来るのです。それは人間関係でも、
お仕事でもご趣味でもそう。それを、自らすすんで行うのは勇気が要ります。しかし私たちは、動きます。
先日、守山が「名古屋の本宅」における、調達係(と広報係)の活動を、「破壊と創造」と表現しました。
それを聞いた建築係の春里(はるさと)が、とても納得したようです。あてなき破壊は迷惑ですけれども、
信念あっての破壊は必要で、そして新たな価値が生まれます。引き続き、暖かくお見守りをくださいませ。
リハーサルのなか、八帖が、矢田が、菅原が、異口同音に「とても暑い。エアコンが効いていない。」と
申しました。設定を下げても、窓を開けても変わらず。裏口に回った守山が、室外機の停止状態を確認し、
1階のリモコンを開きましたら「オフ」でした。初夏でございます。食欲が落ちる前に、お召し上がりを。
秋のほかに、夕日が美しく見える季節。すこし湿った風、頬を撫でられて。国道沿いのマクドナルドにて。
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
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★ 主の実績とお仕えのリスト。 … https://twitter.com/butlers_house/status/1625760655730184192
(このリストは、5月下旬までに見直します。必要とする数値を下げる方針です。追ってご報告します。)
私たち執事の館・準備委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
(かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますこと、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞお許しください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
ご帰宅の際のカップセレクトも限りなくしていただけます。「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887