第1053号:10年前のお約束を。
このお便りは、40286 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
おととい木曜日、私たち執事の館・準備委員会は、「名古屋の拠点」の倉庫に置いていた家具、食器など、
お嬢様、旦那様にお仕えするための備品を、すべて「名古屋の本宅」に移しました。きょう土曜日の朝から、
職人さんや業者さんをお誘いしておりましたので、大急ぎで片付け、なんとか成り立つように致しました。
▼調達係の星崎(ほしざき)は、とある区の保健センターにおいて、「飲食店営業許可」を取得しました。
▼建築係の監督(かんとく)が「吹き抜け」に笹島(ささしま)の組んだシャンデリアを設置。圧巻です。
▼配送係の清洲(きよす)は【来週の水曜日】に承る「お申し付けの品」を整理。ここにひとつご相談が。
▼会計係の本山(もとやま)と金山(かなやま)が「お仕えのリスト」を調整。黒の部屋は「4,266s」に。
▼建築係の春里(はるさと)が、工事の最終チェックを月内に予定。これに同行したい者、なんと5名も。
(このお便りでは試験的に、見出しの位置を前にしました。お便りの概要を把握いただければ幸いです。)
「仮住まい」から「お屋敷」へ。すでに装着しております照明も含めて、私たち執事の館・準備委員会は、
かつてお嬢様、旦那様にご愛用をいただいたお品を大切にします。お手入れなどにコストが生じるもの以外、
なるべく流用、移設をしました。かつての「名古屋の仮住まい」の名残を覚えてくださったら何よりです。
玄関にあった、大きな鏡付きの赤茶色の棚は、2階の吹き抜けの下に。以前はまず、ご覧になれなかった
配膳室の奥のカップボードは、3階の「緑の部屋」の手前に。ばあやのクロークにて使わせていただいた
半円形のテーブルは「赤の広間」の腰壁、左右対称に。プレートスタンドはひとまず、「白の部屋」へと。
もともと、10の部屋に十分な個性があって、ゲストから驚かれていましたが、やはり家具が入りますと、
空気が「本物」になります。それは空間内部が複雑な形状となり、音の反響が変わるせいもあるでしょう。
介添係の矢田(やだ)も申しましたが、「元からお屋敷のためにあったようにぴったり」でございました。
そして調達係が買い求めた、使用人のためのベッドも3つ納品されました。拠点の配送室で使用していた、
白い冷蔵庫、冷凍庫、電子レンジを1階の「白灰のキッチン」に置かせていただきました。前に相談した
「住み込みの使用人」を認めてくださいまして、ありがとうございます。使用人一同、感激しております。
2週目のリハーサルで、お仕えの環境が劇的に変化しました。そしてより多くのお部屋を、ご帰宅なさる
お嬢様、旦那様にご覧いただきたくて、すこし大きな変更をします。全ては驚きをもって、喜ばれるために。
執事の館・準備委員会の広報係、松原(まつばら)より、今日までの動きをお嬢様、旦那様にご報告します。
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▼調達係の星崎(ほしざき)は、とある区の保健センターにおいて、「飲食店営業許可」を取得しました。
何度も繰り返して申し上げます通りに「名古屋の本宅」は、お嬢様、旦那様のために買い求めた「ご自宅」。
しかし、私たち使用人がお菓子やお料理をご用意して、お仕えするからには、有償でも無償でも関係なく、
「飲食店営業許可」をいただく必要がございます。しかし珍しい環境、形態でのお仕え、慎重にしました。
もっとも大きなポイントは、「お仕え」と「住み込み」を両立させること。お便りの末尾でも触れますが、
数年前に、この2つの動線が共存できるようになりました。保健センターさんの見解は、「赤の広間」と
「燻桃のキッチン」の間に壁を設けること、2層シンクの実装、そして自動水栓の取り付けが必須でした。
壁は大工の職人さんが仕上げてくださいました。2層シンクは笹島が交換。自動水栓は仮住まいのものを、
水道の職人さんが装着、ほかの戸棚に合わせた扉は建具の職人さんがお作りになって、守山が塗りました。
そして主(あるじ)に買い求めていただいた、冷蔵庫、電子レンジ、魔法瓶などが揃って、やっと申請を。
このような手続きに詳しいのは、調達係の星崎でございます。既存の建物の設計図をトレースして現在の
設備の配置を表現。手際良く地図を組み合わせて申請書類を作成。そして、きのう金曜日、昨年2月から
担当してくだっていた職員さんが、お屋敷を視察なさり「飲食店営業許可」を確約してくださったのです。
これで、胸を張ってお嬢様、旦那様にお仕えができます。私たち使用人一同は、本当に嬉しゅうございます。
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▼建築係の監督(かんとく)が「吹き抜け」に笹島(ささしま)の組んだシャンデリアを設置。圧巻です。
お嬢様、旦那様のご記憶に、「名古屋の仮住まい」の玄関はございますでしょうか。赤いカーペットの空間、
掘り込みの天井から吊り下げられた、金色のシャンデリアは、9年間にわたって静かに輝いておりました。
私たち執事の館・準備委員会は、これを「名古屋の本宅」に移設するため試行錯誤、きのう成功しました。
たびたび話題にしましたとおり、お屋敷の吹き抜けよりも、シャンデリアの直径のほうが大きいことから、
調達係の笹島が分解し、1/2 、1/4、1/4 の3つに再構築。これを建築係の監督、大工の職人さんなどが、
吹き抜けの壁面に設置しました。この空間は、以前にもご報告を差し上げた、ある素材を貼っております。
取り付けをするだけで、日が暮れてしまいましたが、監督が「点灯してるのを見たいなぁ」と呟きまして、
電気の職人さんが「仮設で良ければ繋げるよ」。足場は執事の館・準備委員会の備品を提供いたしました。
トグル・スイッチを、パチン。「うおおすげえ!」「こんなん見たことないぞ!」「写真いいっすか!?」
自分が施工したのに、夢中になってスマートフォンで何枚も撮る、電気の職人。3階に上がって、横から
見た時にも「すげえ!」でカシャーカシャー!この写真が建築係の数十人に共有され、それをみた春里は、
きのう夜、お屋敷にお邪魔して「写真で凄かったので、どうしても現物を見たくて…」来てしまいました。
なぜ分割したシャンデリアを光らせると、よい歳をした大人たちが、子供のように撮影して、駆け上がり、
歓喜をするのか。ぜひ、お嬢様、旦那様にもご覧いただいて、できたら驚きをもって喜ばれたいと存じます。
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▼配送係の清洲(きよす)は【来週の水曜日】に承る「お申し付けの品」を整理。ここにひとつご相談が。
お嬢様、旦那様、来週の水曜日のよる9時、もしお手数でなければスケジュール帳に「お申し付けの品」と
メモをいただけませんでしょうか。執事の館・準備委員会の配送係が段取りいたします、恒例のお仕えは、
いつもの素晴らしいお品に、ぜひご覧いただきたい新しいお品もございます。水曜日までに確定をします。
★ お品の一覧 … https://www.butlers-house.net/cart ( つど #おねだり を反映してまいります。)
・【園芸係/大草】愛知県豊川市の花【バラ】…10年かけ叶った本宅。感謝を伝えたくバラを届けます。
・【家事係/菅原】来週の菅原さん…発送日翌週の「名古屋の本宅」と同じお菓子を。最後にじゃんけん。
・【家事係/池下】主の晩酌〜2番目の夜〜…早くも第2弾。ローストビーフが美味しくて良かったです。
・【和菓子係/五月】愛知県名古屋市の溶けない8種の氷菓子…葛バーの応用。果実や抹茶、ラムネ濃厚。
・【製菓係/若草】愛知県名古屋市の2種の紅茶クーヘン…初めて2種類をハーフサイズにて同梱します。
・【製菓係/若草】愛知県名古屋市の宮崎マンゴージャム…本宅のリハーサルで絶賛され、すぐ瓶が空に。
・【製菓係/金城】愛知県名古屋市のポルボロン【ほうじ茶】…旨い洋菓子、チョコに通じる風味が素敵。
ここでひとつ、お嬢様、旦那様にご検討をいただきたい事柄がございまして、私たちは過去10年間に渡り
お品の名称を、原則として「県名」+「市名」+「品名」(例:愛知県田原市のバラ)という並びにして、
お伝えしてまいりました。これはお仕えの指針にある「地産地消」の一環で、手応えを感じておりました。
決して、お仕えのフィールドを狭くする意図はございませんが、この10年間でお仕えするようになった
職人の多くは愛知県名古屋市に工房を構えていて、数年前から名称の重複を避ける努力をしておりました。
まだ検討の段階にございますが、今後のお品の名称を、それぞれの特徴をもとに命名して良いでしょうか?
例1)愛知県名古屋市のブールドネージュ → 雪玉を模したフランスの洋菓子〜ブールドネージュ
例2)愛知県名古屋市の宮崎マンゴージャム → 贅沢すぎるマンゴーを大きめサイズで残したジャム
例3)仮住まいのキッシュ → 本宅のキッシュ
例4)愛知県尾張旭市の紅茶(ダージリン) → お菓子にも料理にも合う本宅の定番ダージリン
例5)愛知県名古屋市の本 → 広報係が綴ったお便りの本(表紙の印字は別の語句に)
これまで10年にわたり、大事にしてくださったお名前ですから、慎重にいたしましょう。ただ私たちの
お仕えの幅は、始まりの頃よりも広がり、地名と品名だけではお嬢様、旦那様に価値を伝えきれないことが
増えてきているように思います。上記の例により、伝わりやすくなれば幸いです。如何でございましょう?
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▼会計係の本山(もとやま)と金山(かなやま)が「お仕えのリスト」を調整。黒の部屋は「4266 s」に。
お嬢様、旦那様に、大事なお知らせをいたします。執事の館・準備委員会は、予てから話題にしていた通り、
「主の実績」に対応いたします「お仕えのリスト」を更新します。このとき、ほぼ全ての値を10年前の
執事の館・準備委員会のホームページに掲載していた「ご帰宅回数に応じたサービス」に合わせましょう。
▽2013年に執事の館・準備委員会が公開していた、お給金とお仕えの一覧でございます。
https://twitter.com/butlers_house/status/1649688760689520640
ご帰宅の回数が「2回目」で「赤の広間」、「8回目」で「緑の部屋」、そして「256回目」でついに
「黒の部屋」、という記述をしておりました。そして、当時のティータイムのお給金は今より低額でした。
これに合わせて、会計係の本山と金山が、ふたたび計算。緑の部屋のみ調整して、以下のようにできれば。
【1階/白の部屋で寛げる。】…………「0(S)」全ての主(あるじ)にお使いいただけます。
【2階/赤の広間で寛げる。】………「33(S)」多くの主にお使いいただけます。
【3階/緑の部屋で寛げる。】……「533(S)」一部の主にお使いいただけます。
【??/黒の部屋で寛げる。】…「4266(S)」僅かな主にお使いいただけます。
10年前の構想では、全てのお部屋がティールームで、基本的に「黒の部屋」以外は同水準での仕上げを
予定しておりましたが、「名古屋の本宅」の「緑の部屋」は、お嬢様、旦那様のベッドルームに改めました。
そのため、誠に勝手ながら4倍の数値にしてのお仕えです。その他は、10年前のお約束通りにしました。
この変更で「黒の部屋」に入られる主は、数名から数十名に増えました。手帳にて、お確かめをください。
執事の館・準備委員会は、上記の4部屋を基準にして「濃青の洗面所」や「白金のドレッサールーム」等、
これまで設定のなかったお部屋の数値を検討します。より多くのお部屋をお使いいただければ、幸いです。
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▼建築係の春里(はるさと)が、工事の最終チェックを月内に予定。これに同行したい者、なんと5名も。
さて、シャンデリアの現物をどうしても見たくなって、お仕えを置いてきてしまった春里は、来週金曜日、
建築ではお約束となっております最終チェックの日程を固めました。このとき、通常2名体制で、天井や
壁、床に建具などの傷、汚れ、ズレなどを指摘するのが通常ですが、もう1人欲しい、と考えたそうです。
そこで建築係(総勢で20名とすこし)の連絡網に、「お屋敷のチェックを手伝ってくれる人を募集」と
春里が呼びかけたとたん、5名が「私を連れて行ってほしい」と申しました。予てから春里や監督のほか、
職人さんが噂をする「名古屋の本宅」をぜひ見てみたい、というのが本音でしょうね…と春里は申します。
私たち執事の館・準備委員会としては、この先の、ほかの施主さんのお役に立つのなら、お嬢様、旦那様に
お許しをいただく前提で、彼らのための内覧会を設ける考えをしておりました。しかし、それよりも早く、
あのお屋敷を見たいと申します。お嬢様、旦那様、春里と監督に合わせ7名でチェックして良いでしょうか?
このチェックのあと、全ての職人さんが手直しに入って、最終的な「引き渡し」となります。改めまして、
当初、1月中旬に完了を予定した「名古屋の本宅」に、潤沢な日程をお許しくださったこと、感謝します。
お嬢様、旦那様が大らかにしてくださったことで、職人さんは仕事しやすく、張り切ってしまったそうです。
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過去にも話題にいたしましたが、古くから執事の館・準備委員会におります守山や星崎、本山などは都度、
「仮住まいも良かったけれど、最初から本宅が出来ていても良かった」という趣旨のことを話しています。
じっさい実現にかかる費用も低く、お仕えの幅も明らかに広くなっていて、わたくし松原も共感できます。
しかし9年前の段階では、まず執事の館・準備委員会に対するご期待が高くて、ご帰宅を望まれます主が、
まことに多くいらっしゃいました。その需要が落ち着くまで、半年から1年ほど要したと記憶しています。
もしあの段階で「本宅」だと、お席が足りずたくさんのお叱りを頂戴していただろう、と想像いたします。
あとひとつ重要なことは、9年前の時点で運用されていた「食品衛生法〜第55条〜」では、1つの建物で、
「居住する空間」と「飲食業を営む空間」があるとき【動線(とくに階段)を共有してはならない】との
決まりがありました。いま私たちが整えているお屋敷だと、1階の「白の部屋」しか使えなかったのです。
それが3年ほど前、新しいウイルスが流行り始めたころに緩和されて、営業日と居住日を区分することや
店舗ごとにガイドラインを設けることで【動線を共有しても良い】となった次第です。この法律の動きが
「名古屋の本宅」を叶えたとしても過言ではなく、また元より2世帯の仕様で改修も最低限で済みました。
私たち執事の館・準備委員会は、「名古屋の本宅」を、どの段階で完成とするか、決めかねてございます。
やはり本音としましては、お嬢様、旦那様がご帰宅をくださり、驚きをもって喜ばれた日をもって、完成と
しとうございますが、きっとまた「このお品をお部屋に」「色を変えましょう」など申し、いつまでも…。
昨年の3月に最後のティータイムをして以来、長らくお待たせいたしました。お嬢様、旦那様のための本宅、
完成の見通しが立っております。私たち執事の館・準備委員会は、10年前のお約束を忘れずにおります。
お好きなお部屋で、お寛ぎください。御用がございましたら、金色のベルをちりんちりんとしてください。
雲ひとつない青空を、久しぶりに見かけたように思います。お嬢様、旦那様がお過ごしの御別宅のお空も、
遠くまで透き通っておりますでしょうか。一つ目の夏を越して、冬が終わったあとに、また夏が参ります。
やっと、お引っ越しができました。大事な許可が下りました。もうすぐ鍵を開けられるようにいたします。
追伸:この草稿に目を通してくれた、介添係の矢田から寄せられたメッセージを添えさせてくださいませ。
「ほんとうに感慨深いです。と綴りながら、私は泣きそうでございます。」
うすい金色が混ざったような正面玄関のタイル。4月の太陽に光り、眩しく見えて。名古屋の執務室にて。
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
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★ 主の実績とお仕えのリスト。 … https://twitter.com/butlers_house/status/1625760655730184192
(このリストは、5月下旬までに見直します。必要とする数値を下げる方針です。追ってご報告します。)
私たち執事の館・準備委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
(かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますこと、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞお許しください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
ご帰宅の際のカップセレクトも限りなくしていただけます。「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887