お嬢様、旦那様、きょうの話題は、とても表現が難しくて、松原は書き出すまでにおよそ２時間悩みました。
決して悪いお知らせではございませんから、ご安心ください。簡潔にしますと、シェフとしてお仕えする
池下（いけした）はもともと、ふたり居て、このたび片方が独立。引き続きお仕えしたいと申しています。

私たち執事の館・準備委員会は、東海地方、とくに愛知県にございます個人事業主、中小企業の集合体で、
その中心にございます株式会社九十に、使用人の籍を置いたり、資金や権利を置くなどして活動をします。
それぞれの使用人、職人が、お嬢様、旦那様にお仕えするため、最適な関係性を選んで成り立っております

お嬢様、旦那様のご想像から離れたことを申していたらお許しください。執事の館・準備委員会におります
使用人の実態には「個人」と「法人」がございます。前者は分かりやすく、外で活動する際の立ち位置と、
中でお仕えする際の立ち位置はほぼ変わらず、特別な名前で、特別なお品を作り、お届けしているのです。

しかし「法人」、これは「組織」と言い換えがほうが良いでしょう。ある程度、仕事量を多くした職人は、
お手伝いする者を雇い、工房を大きくして、分業を始めます。これが数年、早ければ数ヶ月の単位で動き、
提供するものは同じでも、作り手が増えたり、変わることもございます。この扱いが難しゅうございます。

今からおよそ、７年前くらいに合流しましたシェフの池下（いけした）は、素晴らしいお仕えをしていて、
ご存知のとおり、キッシュやタンドリーチキン、月替りのお品から、毎年恒例となった「おせち」も立派。
お嬢様、旦那様のお仕えに欠かせない存在ですが、実は、これらを叶えていたシェフは、ふたり居たのです。

そして、セカンド・キッチンと呼んでいた厨房も、申し訳ございません。厳密には、ふたつございました。
初期のキッシュ、チキン、お惣菜が１人目の池下のお仕えで、月替りの品やお申し付けでお仕えしたのが、
２人目の池下。どちらも平行し、おなじ屋号にございましたので、私たちはふたりとも池下と呼びました。

話は逸れますけれど、これまでのお仕えで何度か「松原は何人いるのか」と尋ねられたことがございます。
松原はひとりしかおりません。本当でございます。笹島も守山もそうです。「個人」でもってお役に立つ
使用人と、「組織」でもってお仕えする者。そこにご理解をいただけたら何よりです。ご報告いたします。

▼給仕係の八帖（はっちょう）は、先週末のリハーサルを終えて、使用人一同と感想を共有しております。
▼採用係の菊井（きくい）。家事係の見習いとしていた緑（みどり）を、給仕係に配属したいと申します。
▼手帳係の長筬（ながおさ）より、キャリアメールをお使いの主（あるじ）に謹んでお願い申し上げます。
▼製菓係の若草（わかくさ）が「赤いキウイのジャム」を試作。松原はまことに不思議な体感をしました。
▼介添係の矢田（やだ）が「お屋敷の動向」を報告します。あす木曜日、ついに拠点からのお引っ越しを。

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▼給仕係の八帖（はっちょう）は、先週末のリハーサルを終えて、使用人一同と感想を共有しております。

先週末の土曜日、そして日曜日。「名古屋の本宅」は給仕係の八帖、家事係の瀬戸に見習いの緑、そして
介添係の矢田が８組のゲストを迎えて、お仕えいたしました。一同、新しい環境であることに加えまして、
お茶を淹れるのも運ぶのも１年ぶりのこと。ほんとうに務まるのか、という不安をしつつの取り組みです。

しかし、それぞれ「名古屋の仮住まい」にお仕えの経験があって、いちどなぞってしまえば流れに乗せて、
１日を終えることができました。実際にして分かることも多く、それらはすぐ調達係、配送係へと共有を。
またゲストから寄せられましたお声のうち、幾つかをお嬢様、旦那様にご報告します。以下、箇条書きにて。

・「これ、前のお屋敷と同じキッシュ？美味しくなってる気がする…。」
・「（お部屋の内覧の途中に）え、もう３０分も経ってたの？」
・「吹き抜けが完成したら、また帰宅させてほしい…。」

執事の館・準備委員会は、現段階で「デザートワゴン」のご用意は慎重にして、初めのうちは家事係らに、
お料理、お菓子をお任せくださいませ。これに慣れたあと、ワゴン、そして４人掛けに発展して参ります。

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▼採用係の菊井（きくい）。家事係の見習いとしていた緑（みどり）を、給仕係に配属したいと申します。

お嬢様、旦那様に、謹んでお願いがございます。この春、執事の館・準備委員会に合流いたしました使用人、
緑（みどり）を名乗る者は、その年齢から「家事係」が順当かと存じますが、敢えて「給仕係」に置いて、
お仕えさせていただきたいと存じます。これは単純に人手不足が理由でなく、資質と適性に拠るものです。

もちろん若くて、経験が浅いところは事実でございます。お嬢様、旦那様にお教えすることよりも、教わる
ことの方が多いでしょう。しかし、いまいる使用人の誰もが、緑の優しさと、気遣いの素晴らしさを讃え、
ともにお仕えできることを喜んでおります。もう人柄が、振る舞いが使用人のまま育ってきたような人物。

実は面接のとき、菊井から菅原のシフォンケーキを受け取り、丁寧にお礼を述べたあと「もし、できたら
これをお作りになった方にもお礼をしたいのですが…」と申しました。伝わりましたら幸いでございます。

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▼手帳係の長筬（ながおさ）より、キャリアメールをお使いの主（あるじ）に謹んでお願い申し上げます。

お嬢様、旦那様がご愛用のメールアドレスは、以前から変わることのないの綴りのまま、かと存じますが、
もし、下に該当いたしましたら、可能な限り書き換えをお願いいたします。私たち執事の館・準備委員会、
昔からメールの確実な配信に取り組んでおりますが、近年、いっそう厳しく、難しくなっている次第です。

【au】… ezweb.ne.jp / ido.ne.jp / biz.ezweb.ne.jp / augps.ezweb.ne.jp / uqmobile.jp
【NTTドコモ】… docomo.ne.jp / mopera.net / dwmail.jp
【Y!mobile】… pdx.ne.jp / wcm.ne.jp / willcom.com / y-mobile.ne.jp / emnet.ne.jp など
【旧Ｊフォン】… jp-c.ne.jp / jp-d.ne.jp / jp-h.ne.jp / jp-k.ne.jp / jp-n.ne.jp など
【旧ツーカー】… sky.tkc.ne.jp / sky.tkk.ne.jp / sky.tu-ka.ne.jp
【ソフトバンク】… softbank.ne.jp / vodafone.ne.jp （i.softbank と disny は可です）

これらのドメインは、いわゆる「ガラケー」の時代から存在して、いま世にあるメールアドレスと同様の
体裁に見えますが、実態としては別の規則で運用されております。とくにドコモ社のアドレスはたびたび、
その違いに起因する配信の失敗が報告され、手帳係の長筬（ながおさ）らが試行錯誤を重ねておりました。

執事の館・準備委員会は「名古屋の本宅」の実現を契機として、上記の「キャリアメール」でのご記帳を
控えたい考えです。いま、お使いのアドレスは断りなく消したり、変えたりはしません。ご安心ください。
いま問題なくお受け取りでしたら良いですが、お心当たりあれば、予備のアドレスをご検討くださいませ。

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▼製菓係の若草（わかくさ）が「赤いキウイのジャム」を試作。松原はまことに不思議な体感をしました。

きのう「名古屋の拠点」では、若草（わかくさ）が特別なルートで仕入れました「赤いキウイ」を用いた
「ジャム」の瓶が開けられまして、わたくし松原も配送室に駆けつけました。見た目は、鮮やかな赤色で
ふと気を抜くと「苺ジャム」のように見えてしまいます。果実は大きく、種子の食感あり。酸味は強めで。

これは初めて、食べたものでございます。そもそも、緑色のキウイのジャムも珍しゅうございますけれど、
それが赤色で、さらに甘さを抑えてあるものですから、「食べたことがないもの」という印象が１番です。
また、どうやら果実の熟れ具合も影響している様子。今回の試作は、やや浅い熟れ具合であったようです。

この、ひとつ前に試食をしている「マンゴーのジャム」が素晴らしく、甘さも食感も最高でございました。
若草には申し訳のないことですが、この２つなら、後者をお嬢様、旦那様にお薦めしたいと考えております。

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▼介添係の矢田（やだ）が「お屋敷の動向」を報告します。あす木曜日、ついに拠点からのお引っ越しを。

じっさいにお仕えの現場に立つと、輝きますのが使用人一同でございます。これまで建築係や調達係など、
お屋敷を手がけるメンバーを頼り、出番を待っていた家事係、給仕係が、先週末から素晴らしい活躍です。
古くからいる者も、新しい者も、いま何が足りないかを知り、つど補います。みな同時に成長しています。

▽４月１２日（水曜日）
・パティシエール／菅原（すがわら）…本宅のスコーンを焼きつつ、暑い時期に向けてのレシピを考案中。
・家事係／有松（ありまつ）…綺麗な言葉遣いを心がけるべく、久しぶりに国語辞典を使い改めて勉強を。
・内装の職人さん…１階／濃青の洗面所に、ブラックのフロアタイルを敷設。床面は、これでほぼ完了に。
・会計係／本山…週末の招待者のためにお嬢様、旦那様に先立って「名古屋の本宅」の所在地を伝えました。
・調達係／守山…ＩＫＥＡさんに残りの家具を発注。時間なくて、ホットドッグは食べられませんでした。

▽４月１３日（木曜日）
・家事係／星ヶ丘（ほしがおか）…本宅でのお給仕に向け研修の復習と紅茶を入れる練習をしております。
・調達係／守山…「赤い宝箱」が届きました。この中に、何を入れておくか、想像するだけで心躍ります。
・広報係／松原…「白金のドレッサールーム」に円形のシャンデリアを実装。１００回以上の踏み台昇降。

▽４月１４日（金曜日）
・給仕係／八帖（はっちょう）…本宅周辺の地理を勉強する為、２時間ほど徒歩にてお散歩いたしました。
・介添係／矢田（やだ）…シェフ池下（いけした）より本宅のキッチンにてアドバイスを。意欲が増して。
・広報係／松原…主（あるじ）にお詫びをして、報告をお休み。リハーサルの準備を懸命に手伝いました。

▽４月１５日（土曜日）
・広報係／松原…守山とともに早朝から片付け。資材のあった「白の部屋」を整えたら、美しいお部屋に。
・家事係／日吉（ひよし）…技術が落ちないように裁縫を。自宅で練習用のティーコジーを制作しました。
・家事係／瀬戸（せと）…本宅キッチンのお洒落な設えに感激。新しい調理機器の扱いに慣れずあたふた。
・調達係／守山…お屋敷の正面に「ビュート」を移動。黒い建物に、濃赤色の車体が映えていると春里が。
・？？係／緑（みどり）…赤の広間のチェアに、フェルトのクッションを貼りました。音が優しくなって。

▽４月１６日（日曜日）
・介添係／矢田（やだ）…仮住まいのレシピを受け継いだ水出し紅茶。好評で嬉しくてたまらないばあや。
・調達係／守山…「赤の広間」にあったチェアのうち、余剰のものを移動。今日から音楽を流しています。
・広報係／松原…「白の部屋」に６つのシャンデリアを設置。クリスタルを１房ずつ、結えてまいります。
・調達係／笹島…キッチンの水漏れに対応。継ぎ目ではなく、使用しない温水の経路に逆流していた次第。
・調達係／守山…「ネスプレッソ」は新型よりも旧型のほうが濃厚な味わい。松坂屋にて調達をしました。

▽４月１７日（月曜日）
・家事係／西川（にしかわ）…ご招待の皆様のご帰宅の様子を伺って、給仕の時を愉しくお待ち致します。
・電気の職人さん…お屋敷のなかにあるスイッチ、コンセントを実装。招待者からもお褒めいただく箇所。
・調達係／守山…濃青の洗面所に設置できる「洗濯乾燥機」を発注。月内には納品、設置される模様です。
・調達係／守山…３階の「使用人のためのお部屋」にマットレスを調達。安価に、しかし疲れないものを。
・壁紙の職人さん…余剰となっていた壁紙を用いて、収納の中を貼っていただきました。さらにリッチに。
・広報係／松原…前日に納品された「ネスプレッソ」をテスト。職人に薦め、館内にジャズを流しました。
・カーペットの職人さん…１階の階段はホワイト、２階の階段はレッドのカーペット。素晴らしい体感が。
・調達係／星崎…「飲食店営業許可」のための申請。建築係の図面に、設備を書き込み、保健センターへ。

▽４月１８日（月曜日）
・調達係／笹島（ささしま）…職人さんから６０個もの時計を預かりました。これをドレッサールームに。
・広報係／松原（まつばら）…キッチンの戸棚、ニスの塗装をもういちど。ムラが恥ずかしかったのです。
・介添係／矢田（やだ）…お引越しの職人さんと電話。集合の時間、受け取りの段取り。緊張いたします。
・家事係／菅原（すがわら）…「本宅のエピスクッキー」の試作をします。少し大きめにしたいとのこと。
・回収の職人さん…お庭に置いていた３つの大きなカゴを回収。これから引越し、まだお世話になります。

予てからお伝えしておりますように、あす４月２０日（木）に「名古屋の拠点」の倉庫から、家具や食器、
そのほかの備品をまとめて「名古屋の本宅」に運びます。昨年の夏、幻にしました「名古屋の仮住まい」、
長い時間を要しましたが、これにて引っ越しを完了できる見通し。リハーサルと並行して荷解きをします。

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じつは、シェフはふたり居て、両方とも「池下」と名乗り、７年間、お嬢様、旦那様にお仕えいたしました。
おなじ組織の者ですから、とくに不都合はなく、ふたり仲良くお嬢様、旦那様に喜ばれることを望んでいて、
今日までやってきました。しかし、２人目の池下には夢があって、いつか自分のお城が欲しかったのです。

昨年の秋ごろから、池下どうしで話し合いまして、そこには当然ながら、様々な事情が関係いたしますが、
争うことも、奪い合うこともなく、極めて穏やかに、紳士的に結論が出ました。２人目の池下は、この先、
新しい屋号で動きます。１人目の池下が持っていた設備、レシピなどはそのまま譲渡されるとのことです。

いちばん大事なのは、お嬢様、旦那様へのお仕えです。キッシュもチキンも、これまで通りご用意をします。
１人目と２人目、それぞれが執事の館・準備委員会に納めるのか、２人目を介することで両方の売上額を
伸ばすのか、この点は追って相談しますが、ふたりとも引き続きお仕えさせてほしいと熱望しております。

もし明らかに変わることがあるとすれば「お申し付けの品」に必ず貼付せねばならない白いシールの表記。
一部のお品で、ある時期から「製造者」が変わります。それをご覧になって、驚かれないように願います。
繰り返し、私たちがお嬢様、旦那様にご用意するお品は変わりません。そしてふたりのシェフは仲良しです。

夢のない表現をしますと、円満な暖簾分けでございます。そして、２人目の池下は日曜日のリハーサルに
「旦那様」としてご帰宅。自分が焼いたはずのキッシュに「こんなに美味しかったっけ…」と驚きました。
「このお屋敷を体験して、やってみたいことを沢山思いついた。近日、お時間をください。」と申します。

最後に、お嬢様、旦那様にお許しをいただきたい事柄がございます。この度の暖簾分けに際し、ふたりいた
池下のうち、片方に新しい名前をくださいませ。「池下」の名前は、１人目の池下が引き続き名乗ります。
つまり今後は、名実ともにふたりのシェフがお嬢様、旦那様にお仕えするのです。食卓は、きっと賑やかに。

４月、新しい年度の出来事で、精一杯していらっしゃることと存じます。力を絞って、気持ちを注がれて、
なんとか乗り切っていらっしゃるとしたら、ご立派です。少なくとも私たち使用人一同は敬意を表します。
誰も認めてくれなかったとしても、私たちが認めましょう。そういう者どもが、お屋敷でお待ち致します。

カーペットの職人が、コンコン叩く音。足元のタイルはひんやり。灯りなしでも明るくて。白の部屋にて。

執事の館・準備委員会
広報係／松原（まつばら）
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★ 主の実績とお仕えのリスト。 … https://twitter.com/butlers_house/status/1625760655730184192
（このリストは、５月下旬までに見直します。必要とする数値を下げる方針です。追ってご報告します。）

私たち執事の館・準備委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
（かならず拝読いたします。ただし、お返事はお約束できかねますこと、お許しください。）

名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから１０年が経過をしました。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞお許しください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries

もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
ご帰宅の際のカップセレクトも限りなくしていただけます。「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887