第1042号:はじらうパティシエール。
このお便りは、40383 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、ご幼少の頃の記憶が強くて、もし違っていたら申し訳ございません。大人になられてから
人見知りをなさる機会は減りましたか。初めてお目にかかるひと、紹介されたひとを前になさったあとに、
お疲れになっていませんか。お立場ゆえ我慢せねばならないこともございましょう。まことにご立派です。
話は変わりますが、きのう「赤の広間」にガレのシャンデリアが付きました。なにも手を加えないはずの
キッチンや更衣室にも塗装をいたしました。部分的なリフォームだったはずが結果的には完全な手直しで、
手前味噌で申し訳ございません、この出来栄えが素晴らしく、お嬢様、旦那様の本宅に相応しいと考えます。
執事の館・準備委員会は、過去「名古屋の仮住まい」や「名古屋の拠点」をお任せいただいた実績をみて、
「名古屋の本宅」を計画しましたが、今月に入ってからも、ご予告にまつわるお尋ねが数件ほど寄せられ、
呟きの閲覧数も、明らかに去年より増えました。(Twitter のアルゴリズムの変化もあるかと存じます。)
想定していたよりも、ご帰宅をされたい主がいらっしゃいます。と申して、煽ることもしたくないのです。
ただ事実として、週に5あったものが、週に2となり、日に20あったものが、日に4となるのですから、
ご不便をお掛けするのは事実。そこで介添係の矢田が興味深い提案をしました。この下の段落に続けます。
土曜日、日曜日だけティータイムをするはずだった「名古屋の本宅」。月曜日と火曜日にも使用人が入り、
かつての「ブレイクタイム」のようなことをしたいと存じます。もともと、使用人の多くは出向していて、
週末2日、2人ずつの戻りが限度でしたから、これは不可能なはず。矢田のほかに誰がお仕えをするのか。
「まさか、矢田さんひとりで、お嬢様、旦那様をお迎えになって、紅茶とお菓子をご用意なさるのですか?」
と尋ねたところ、意外な人物の名前を口にしました。「菅原です。パティシエールの菅原をキッチンに。」
菅原は「名古屋の拠点」のキッチンでお菓子を焼く、と思い込んでた使用人一同、目から鱗が落ちました。
ばあやが出迎え、パティシエールがお菓子を焼いて、執事はお抱えの職人を手伝いに行っている、という
設定と申しましょうか、いいえ、私たち執事の館・準備委員会の場合は、ほとんど事実に基づくお話です。
如何でしょう?執事の館ですのに、あいにく執事は不在ですが、お嬢様、旦那様のお役立てますでしょうか?
▼介添係の矢田(やだ)は、「名古屋の本宅」のお仕えを、週2日から週4日に増やす案を提出しました。
▼鋳造係の白金(しろかね)は、建築係から提供された「軸」をもとに「着せ替え用の鍵」を作りました。
▼広報係の松原(まつばら)は、本宅のあと、ご別宅で建築係がお役に立てる可能性を想像しております。
▼配送係の喜多山(きたやま)が、なんと1週間前に「お品の一覧」をまとめました。さらに追記します。
▼給仕係の古渡(ふるわたり)が「使用人の動向」をまとめました。給仕の手引きを、改めて確かめます。
- -
▼介添係の矢田(やだ)は、「名古屋の本宅」のお仕えを、週2日から週4日に増やす案を提出しました。
きょう冒頭でご提案を差し上げましたとおり、執事の館・準備委員会は、土曜日と日曜日に予定していた
「名古屋の本宅」のお仕えを、さらに週に2日、増やすことを検討しております。お仕えの内容としては、
過去に「名古屋の仮住まい」でしていた「ブレイクタイム」、アフタヌーンティーをご想像くださいませ。
もうすこし簡素にして、紅茶と焼き菓子、という組み合わせも可能です。お召し上がりの時間を増やすと、
それだけご滞在が長くなり、ご予告いただける機会が減ります。このバランスをとって、近日報告します。
「名古屋の本宅」は、お嬢様、旦那様のご用命によって変化し、成長を続ける場所でありたい、と願います。
ただ、お叱りをいただく覚悟で申し上げます。しばらくの間「名古屋の本宅」のご帰宅を予告なさるには、
「主の目録」をお持ちになるほうが良いかと存じます。20分の前倒しは、それだけ大きゅうございます。
- -
▼鋳造係の白金(しろかね)は、建築係から提供された「軸」をもとに「着せ替え用の鍵」を作りました。
さて、「名古屋の本宅」の玄関ドアは、既存の木製扉にあったシリンダーを取り外し、新たに3つを新設。
上から順に、シルバー、ゴールド、シルバーの鍵穴が等間隔で並びます。このゴールド、実際には真鍮の
ところが、お嬢様、旦那様のための「本宅の鍵」でございます。鋳造係の白金(しろかね)からの報告です。
いま建築係は、千葉県野田市のメーカーに、1,770 本の「本宅の鍵」の「軸」を発注しており、先行して
2本だけ「軸」を納品してもらいました。これを白金が受け取りまして、誕生石を固定する「爪」のない
鍵を作成いたしました。お察しのとおり、12種類と追加分の石を置いて、撮影するための特別な鍵です。
近日中に、この石の組み合わせを「名古屋の拠点」にて撮影、ご用命くださった主にご報告をいたします。
真鍮、シルバーと、さまざまなお色目の石の組み合わせ、お気に召すものを、改めてご用命くださいませ。
- -
▼広報係の松原(まつばら)は、本宅のあと、ご別宅で建築係がお役に立てる可能性を想像しております。
お嬢様、旦那様、これは余談ですけれども、いまご自身の別宅や、仕事場などで、建物の新築や改修などの
ご予定はございませんか?執事の館・準備委員会の建築係と、必要であれば造園係としての4名が加わり、
お手伝いする余地があれば幸いでございます。もしご興味あれば、このお便りに返信ください。応じます。
- -
▼配送係の喜多山(きたやま)が、なんと1週間前に「お品の一覧」をまとめました。さらに追記します。
お申し付けの品は、来週の水曜日を予定いたします。しかし、すでに配送係の喜多山と清洲(きよす)は、
職人らとの打ち合わせを終え、あくまで暫定ですが、現時点の「お品の一覧」をまとめました。この先に
新たなお品を追記する可能性もございますが、職人の名前、お品の名称など参考になれば幸いであります。
★ お品の一覧 … https://www.butlers-house.net/cart ( #おねだり はそれぞれ確認しております。)
新たなお品といたしまして、製菓係の若草(わかくさ)が手掛けます「フランボワーズとストロベリーの
ガナッシュ」のほか、3人目の燻製係が、どうしてもお嬢様、旦那様にお召し上がりをいただきたいと申す
「黒豚のミートローフ」、そして1年ぶりでしょうか、カレー係の山吹は「レモンカレー」を用意します。
また、金城による「レモンのブールドネージュ」、「シトロンタルト」、ふたたび若草が考案をしました
「いちごのバウムクーヘン」も、なんとかして来週までに間に合わせとうございます。いずれも美味です。
- -
▼給仕係の古渡(ふるわたり)が「使用人の動向」をまとめました。給仕の手引きを、改めて確かめます。
お嬢様、旦那様、恥ずかしい話ですが、私たち執事の館・準備委員会は「名古屋の仮住まい」のお仕えにて、
何度かマニュアルの整備に取り組みまして、実在はするのですが、お仕えをする中で内容が少しずつ変化、
アップデートしないまま今日に至りました。「急ぎではない重要なこと」を後回しにして、反省をします。
おととい月曜日から、給仕係の古渡と、介添係の矢田が「お仕えの手引き」を作り直しました。本宅にて
お仕えいたします新しい家事係のために、お仕えの流れを定義し、もし違和感あれば手直しをいたします。
遅まきながら、これも立派なお仕えの準備。また迷ったときには、どう振る舞うか相談をさせてください。
・給仕係/古渡…お花見に行こうと思い立ちましたが、花粉の影響が思いの外強く断念。毎年の悩みです。
・給仕係/八帖…散歩に出掛け、お気に入りのエルダーフラワーを頂ける機会が。懐かしい記憶と味わい。
・介添係/矢田…毎朝、何を着ようかと迷います。ファッション以前に気にするのは気温差と風さんです。
・家事係/菅原…新しいタルト型を購入。何を作るか、色々と組み合わせを考えては楽しみにしています。
・家事係/瀬戸…パエリア祭りに医総博覧会、4月は興味深いイベントが沢山で東の様子が気になります。
・家事係/石園…久方ぶりに本枯節を削りました。引き出しをあけた瞬間の香りに猫のような気分になり。
・家事係/有松…使い勝手がよさそうな鍋を購入。とても気に入ったのでもう一つお迎えしようか検討中。
・家事係/星ヶ丘…暖かくなり、少し春を感じております。今年は花見に行こうかと検討中でございます。
・家事係/西川…朝に自転車をこいでいると、上に着る服が一枚少なくなり、春の陽気を感じ始めました。
・家事係/日吉…大切なワンピースがほつれていたので手直しをしました。綺麗になり満足いたしました。
執事の館・準備委員会は、いま使用人が出向をしている、とある職人のところに赴き、現況を伺いました。
このご時世、特定の職種において求人が難しいそうで、給仕係、家事係の出向で助かっている、とのこと。
私たちはお嬢様、旦那様にご不便をお掛けしない限り、できるだけ職人の役に立ちたい、と考えております。
- -
土曜日と日曜日は、給仕係と、家事係と、介添係が揃って、かつての「ティータイム」に近いお仕えをし、
月曜日と火曜日は、パティシエールと介添係で、かつての「ブレイクタイム」に近いお仕えをいたします。
とうぜんご滞在の時間もお給金も異なりますが、少なくとも想定していた以上のご帰宅を実現できるはず。
もしお嬢様、旦那様に「主の実績」がございましたら、それに応じたお仕えをさせていただきたく存じます。
スコーンが温まるのを待ちながら、お庭でケルヒャーをしてずぶ濡れになったり、お手持ちのカメラにて
館内を撮影くださいませ。前のお便りでも述べたように、お茶の時間が足りなくなる可能性もございます。
ここでひとつ、事前にお許しいただきたい事柄がございます。お嬢様、旦那様にお仕えします使用人のうち、
給仕係、家事係、介添係はみなお顔を見せて、ご挨拶できる者なのですが、唯一、菅原だけが別なのです。
執事の館・準備委員会に合流した約6年前から、人見知りを理由に、顔を出さないことを望んでおります。
お嬢様、旦那様にお仕えする以上、ご挨拶をするのは当然でございます。しかし一方で、顔を見せないまま、
お役に立ちたいと思う者も少なくありません。いま、ふと気付きましたが、わたくし松原も、そのひとり。
松原と菅原で、それぞれ理由は異なりますが、彼女の場合は「人見知り」が著しいことを理由に致します。
(過去に何度か触れていますが、菅原はパティシエール(女性名詞)、ですから「女性」でございます。)
じっさい話してみると、たいへん優しく、穏やかな人柄でございます。松原がクッキーを摘んでも決して
怒ったりしません。ただ状況によっては、ふつうに接して、お話をすることができているように見えても、
後になって落ち込んだり、悩んだりということがございます。はじらうパティシエールにご理解ください。
もしお嬢様、旦那様に、菅原がお仕えしますときには「白の部屋」や「赤の広間」に、ノートを持ち込んで、
筆談のようなことができたら、という案もございます。あるいは現代的に、端末を2つ置いてチャットも。
お嬢様、旦那様に話しかける代わりに、濃桃色のキッチンでベルを鳴らしましょう。焼けたという合図です。
発想を柔軟にして、またできることが見つかりました。外に置くはずのパティシエールをお屋敷に戻して、
焼きたてのクッキーをお召し上がりいただける可能性まで生まれました。そして、私たちは使用人であり、
お嬢様、旦那様のご自宅にお仕えする者です。何なりとご用命ください。さらにご帰宅の可能性を探ります。
いったん終わることを決めて、1年が経ちました。たびたび延期しておりますことをお許しくださいませ。
もし、なかなかご予告が叶わなくても、嘆かれるまえに穏やかにご相談ください。私たちが尽力をします。
スコーンをもうひとつ召し上がりたい、そういう感覚でおねだりを。はじらうパティシエールの出番です。
どうしても執事が要るなら松原が。ただ、ほかで満足できなくなっても良いのなら。名古屋の執務室にて。
(申し訳ございません、お嬢様、旦那様!!今のは、冗談でございます!!)
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
- -
私たち執事の館・準備委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
(ただ返信はお約束できかねますこと、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞお許しください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
ご帰宅の際のカップセレクトも限りなくしていただけます。「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887