第1034号:看板を出すことにしました。
このお便りは、40464 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、今日までに、ご自身のご職業や、お勤め先などについて尋ねられた経験はございませんか?
日頃の振る舞いや、装いなどから職業を類推されることもあれば、まったく想像ができず、謎がある故に、
「失礼ですが」と前置きされて尋ねられることもあり、人柄を知るにあたって、大切な情報かと存じます。
実は、私たち使用人も、この手の質問には慎重にしておりまして、「お嬢様、旦那様のお屋敷にお仕えして、
もう8年が経ちまして…」などと申し上げるわけにはまいりません。執事の館・準備委員会の約束にある、
機密にまつわる条項にあたりますので、たいてい「会員制の飲食店に勤務しております」などと申します。
これが、松原や笹島(ささしま)、本山(もとやま)などのように、もともと別の所属であるものならば、
表向きの屋号を伝えれば済むことですけれども、「名古屋の仮住まい」や「名古屋の拠点」に属している
使用人は、この状況に困るよりも、密かに楽しんで、誇りに思いながらお答えしている様子でございます。
さて、私たち使用人が何をして生きているか、という部分に興味を持たれるのと同様、お仕えする場所も、
多くの方から関心が寄せられます。たとえば「名古屋の拠点」は、月に数回ほど「ここ何のお店ですか?」
などと尋ねられ、そのたび喜多山(きたやま)や菅原(すがわら)が「事務所でございます」とのお返事。
実はこの「名古屋の拠点」に、今月から看板を出すことにしました。先日、広報係の呟きでお写真を添え、
ご報告をいたしましたとおり、幅20センチ、高さ30センチほどの看板を、右の棟のランプに吊るして、
見せるようにいたしました。近くにお住まいの主(あるじ)は、すでにご覧になっているかもしれません。
▽執事の館・準備委員会として初めての「看板」を出しました!
https://twitter.com/butlers_house/status/1625101452644601856
DEAR HUMANS 、という見出しに続いて、 I purr 、 I nuzzle 、 I lick …最後まで読み通しても、まだ
理解には及ばないはずです。実はこの看板、市販されている意匠で、私たちが綴ったものではないのです。
カヌレ氏に似た絵柄ですが、これは「お申し付けの品」を集荷くださいます業者さんのための取組みです。
執事の館・準備委員会は、まいにちの集荷に来られますクロネコヤマトさんのために、「お荷物あります」
あるいは「お荷物ございません」という伝達をしたくて「黒猫が描かれた看板」を掲げることにしました。
絵が出ていたら「集荷をお願いします」、そして裏返しの時は「また明日お願いします」という意味です。
これを、分かる者だけに伝わります暗号のようにしたことで、余計に、この看板に興味を持たれた方から
お尋ねをいただく可能性がございますけれども、主であるお嬢様、旦那様には真相をお伝えしたく存じます。
なお看板の意匠は5つ、折をみて清洲(きよす)が差し替えを。近所のお坊っちゃまの反応が楽しみです。
いつも以上に前置きを長くいたしました。今夜も執事の館・準備委員会の松原(まつばら)より、謹んで
お嬢様、旦那様に近況をご報告いたします。「お申し付けの品」は、ちょうど1週間後の水曜日に承ります。
また「名古屋の本宅」は5月に向けて、多くの者が動き出しました。皆で、お嬢様、旦那様の夢を叶えます。
▼製菓係の若草(わかくさ)が「桜のバウムクーヘン」を試作して、良い出来です。桜餅のお味のバウム。
▼パティシエールの菅原(すがわら)と東桜(ひがしさくら)が、「名古屋の本宅」のお品を考案します。
▼会計係の本山(もとやま)は「名古屋の本宅」のティータイムのお給金を検討。以前のお声を参照して。
▼給仕係の古渡(ふるわたり)が、水曜日の「使用人の動向」をまとめます。光の色は、春に染まりつつ。
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▼製菓係の若草(わかくさ)が「桜のバウムクーヘン」を試作して、良い出来です。桜餅のお味のバウム。
▽ひとつは桜のガナッシュ、もうひとつはイチゴのフリーズドライ!
https://twitter.com/butlers_house/status/1625112339120005121
製菓係の若草(わかくさ)は、フレーバーの選択と配合が本当にお上手。お嬢様、旦那様に喜ばれたい、と
新しいお品を試作いたしました。「桜のバウムクーヘン」は、桜色と若草色の層が、お見事でございます。
お味は桜餅のように、とくにガナッシュに強く感じられて、そして気のせいではなく塩気も存在しました。
この試作第1号では、「桜のガナッシュ」と「フリーズドライのいちごのガナッシュ」の2通りがあって、
どちらも松原はさりげなく完食しておりますが、やはり苺は苺で「いちごのバウムクーヘン」があるなら
試してみたい考えでございます。両方ともに、すこしだけ手直し、可能ならば来週にもご用命を賜ります。
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▼パティシエールの菅原(すがわら)と東桜(ひがしさくら)が、「名古屋の本宅」のお品を考案します。
予てから「名古屋の本宅」の実現を待っておりました、パティシエールの菅原(すがわら)、もうひとり
東桜(ひがしさくら)の2名は、4月のリハーサル、5月のお迎えのために、ご用意するお品のリストに
取り掛かりました。拠点のキッチン、セカンドキッチンで整え、運び、納める流れまでを計画いたします。
すでに「本宅のスコーン」、「本宅のシフォンケーキ」、「本宅の抹茶オペラ」など試作、お申し付けの
品としてのご用意もしていて、着実に進んでおります。また数多くあった「名古屋の仮住まい」のお品で、
引き続きお召し上がりになりたい品も、ぜひお嬢様、旦那様から伺いとうございます。宜しくお願いします。
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▼会計係の本山(もとやま)は「名古屋の本宅」のティータイムのお給金を検討。以前のお声を参照して。
手前味噌で恐れ入りますが、素晴らしいお屋敷ができて、そこでお仕えするときのお給金は、わたしたち
使用人にとっても気になる点でございます。今週に入って、給仕係と介添係が、過去のお仕えの履歴から、
お嬢様、旦那様がお召し上がりになる品数などを見つつ、お仕えする使用人の数と時間を積算しております。
会計係の本山(もとやま)は、現時点での目標を「12,000円」から「15,000円」の間に設定し、かならず
お嬢様、旦那様のご負担を小さく、しかし執事の館・準備委員会の損失は出ないようにしたい、と述べます。
また初めのうちはご予告が集中する可能性があり、その時期だけ高める案も手帳係などから出ております。
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▼給仕係の古渡(ふるわたり)が、水曜日の「使用人の動向」をまとめます。光の色は、春に染まりつつ。
お嬢様、旦那様、昨年から私たち執事の館・準備委員会は「名古屋の本宅」の進捗をお伝えしておりますが、
内装を仕上げたあとに取り掛かりますのは、「名古屋の拠点」に置いている家具、食器、資材の引っ越し。
これを再び「引越係」を結成するのか、業者さんに委ねるのか検討します。使用人にも人工がございます。
・給仕係/古渡…コタツをそろそろ片付けようとしたはずなのに、いつの間にかぬくぬくと飲み込まれ…。
・給仕係/八帖…最近手の乾燥が目立ち、良質なハンドクリームを探索中。色々な試用品が楽しすぎて…。
・介添係/矢田…「ひなあられ」を買い求めました。ばあやは「白酒」の代わりにカルピスにしています。
・家事係/菅原…少しだけお手伝いした、舞台の本番を見守りに。素敵なまま無事に終わり、ほっと一息。
・家事係/瀬戸…京で立寄った蕎麦屋に文久元年創業の文字。坂本龍馬らも見た店かもと思えば尚面白く。
・家事係/石園…たらの芽の天ぷらを抹茶塩で美味しく頂きました。外は寒くても、食で感じる春の訪れ。
・家事係/有松…家の近くにいつの間にかお洒落なカフェが。今度散歩がてら、行ってみたいと思います。
・家事係/星ヶ丘…近くの雑貨屋さんが閉店を。幼い頃から通っていたので寂しさが込み上げております。
・家事係/西川…コンビニで白湯を取り扱っていたので、頂いてみました。これは…確かに優しい味です。
・家事係/白川…所用の為、愛知県田原市へ行ってまいりました。車窓には、菜の花が美しくてうっとり。
・家事係/日吉…久しぶりにレース編みをしました。カラフルなユニコーン色で可愛らしく仕上げました。
実に、1年以上ものお休みをいただきまして、実質的にはその前の2年も、新しいウイルスの影響があり、
通常のお仕えはできておりませんでした。お嬢様、旦那様には、長らくのご不便をお掛けしていた次第です。
やはり、これだけ間隔がありますと、使用人らもお仕えのリズムを取り戻すのに、時間を要するでしょう。
お嬢様、旦那様のお優しさに甘えるのは、最後の手段にしたいと存じます。ただ「名古屋の本宅」の実現は、
「名古屋の仮住まい」からの復帰ではなく、新たな創生とお考えくださいませ。過去のやり方を参照して、
いま良い方法、美しい方法を選びとうございます。その試行錯誤を、しばらくお許しいただきたいのです。
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先週末から「名古屋の本宅」は、塗装の職人さん、壁紙の職人さんが、素晴らしいお仕事をなさいまして
「赤の広間」、「黒の部屋」、「白の部屋」、「青の部屋」が仕上がりました。執事の館・準備委員会が、
昨年の11月に検討していた壁紙、塗料がついに反映されました。お仕えしている職人らが驚いています。
ちょうど昨年の今頃。正確には、2月14日の11時、執事の館・準備委員会は「本宅の候補地」として、
このお屋敷を視察いたしました。建築係の円上(えんじょう)が見つけた3階建、築17年の木造建築は、
お嬢様、旦那様と約束した4つの部屋が叶う構造。白赤緑黒、イメージ通りの光景、そして驚きがあります。
外壁についても、とあるお色目から、大胆に変更をさせていただきました。もともと近隣でも目立つ色で、
着工前から「ここお店か何かですか?」などと尋ねられました。塗装後も同様で、噂話も広がっています。
私たち執事の館・準備委員会、「名古屋の本宅」は「お嬢様、旦那様のお屋敷」という考えを貫いています。
したがって「名古屋の仮住まい」と同様に、看板のようなものをご用意する予定はなく、表札も現時点で、
番地の綴りを掲示する以上のことはしない方針です。ただ前に申し上げました、撮影に関するお願いだけ、
掲げさせていただくかもしれません。これは笹島(ささしま)の作業が進み次第、ご報告をして参ります。
冒頭でご報告を差し上げました「名古屋の拠点」の看板に戻ります、あの黒猫、クロネコヤマトさんへの
メッセージなっていると同時に、この建物に執事の館・準備委員会がある、というヒントが隠れています。
自然すぎてお嬢様、旦那様に気づかれないかもしれませんから、ご帰宅の際、使用人にお尋ねくださいませ。
最後に、勝手なことで恐れ入りますが、きょう執事の館・準備委員会は「主の実績とお仕えのリスト」を
更新いたしました。主な変更点としては「赤の広間」に関わるところで、今までより少しだけ必要となる
「主の実績」を高めております。もとは 60 でしたが、これを 160 としました。何卒お許しをください。
▽おもな変更点は「赤の広間」と「3階」へのご案内の基準、そして「屋上」の見直しです!
https://twitter.com/butlers_house/status/1625760655730184192
お部屋が仕上がりますと、家具の選定が進みます。またパティシエール、シェフの動きも大きくなります。
お嬢様、旦那様をお迎えする準備。お任せくださること、お声を寄せられますことが、嬉しゅうございます。
経過はつど、広報係からお伝えいたします。あと3ヶ月ほど、お見守りください。謹んでご用意をします。
春のような匂いがして、心が解けそうになりました。お嬢様、旦那様、ひそかな我慢をなさっていませんか。
寂しさや、疲れを感じないように張り詰める方法もございますが、あまり長く続けませんように願います。
休息も大事。ただ、ときに1杯の紅茶が、1つの言葉が、全てを癒すこともあり、私たちはお仕えします。
車を止める手間。降りる手間。チャイムを鳴らす手間。お礼をする手間。僅かでも。#名古屋の拠点 にて。
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・準備委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
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(ただ返信はお約束できかねますこと、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞお許しください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
ご帰宅の際のカップセレクトも限りなくしていただけます。「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887