第1026号:ハチとサルと、カギの話。
このお便りは、40533 名のお嬢様、旦那様に宛ててお送りいたしました。
お嬢様、旦那様、きょう松原がいたしますお話は、あまりお気持ちに響かないかもしれません。ただいずれ、
どこかでお心当たりができるかもしれませんし、いま、まさにその最中でいらっしゃる可能性もあります。
この半年ほど、わたくし松原が、名古屋の拠点を手伝いながら思い出した、「箱の中のハチ」のお話です。
これは今から20年ほどまえに、伊集院光お坊っちゃまが、ラジオかインタビューにてお話になったこと。
とある部屋に、とある人が、誰も見ていない状況で、机のうえに、何も入っていない小さな箱を置きます。
そして入ってくる人に「この箱にはハチが入っているから触ってはいけない」と伝え、その場を去ります。
残されたひとは、その箱にハチが入っていると思うか、疑ったとしても刺されたくないので、触れません。
そして新たに入ってくる人に、またもや「ハチが入っている」と伝えます。その結果、箱は残り続けます。
ある日、その部屋に「ハチの駆除の専門家」という人が来て、駆除の費用を伝え、みな疑わず支払います。
伊集院光お坊っちゃまは、これを「テレビに関わる立場で言える、霊能者に対する私の考え方」と仰って、
いまだに語り継がれる秀逸な例え話となっております。おそらく、これは霊のことに限らず、宗教や組織、
人が関わる様々なコミュニティに発生しうる「根拠なき恐れ」の増大、問題のあり方だと考える次第です。
お正月から調達係の守山(もりやま)は「名古屋の拠点」にある「配送室」のレイアウトを変えています。
その目的は綺麗にすることではなく、不要なものをなくすことにあり、過程で多くの取捨選択をしました。
「このお品は必要でしょうか?」「わかりかねます。前からあり、使うかもしれないから残すようにと。」
誰も悪くはないのです。みな良かれと思ってしているのです。おそらく善意も悪意も関係のないところで、
過去に誰かが残した言葉を大事にして、結果、大事ではないものを大事にしたり、その逆をしていたりで、
いつ痛い目を見るか、不安であったのであろうと思うのです。そこに切り込むのは、勇気がいることです。
みな、よく頑張っていました。ただ、存在しないハチに怯えていました。もう大丈夫です。怖くないです。
こういうご報告を差し上げても良いのかと、すこし躊躇いながら筆を進める、広報係の松原でございます。
お嬢様、旦那様、今日は「本宅の鍵」についてお尋ねします。もしご入用でしたら、お聞かせくださいませ。
▼鋳造係の白金(しろかね)が「本宅の鍵」の試算を。ご用命になる数量を伺いたい、と申しております。
▼配送係の清洲(きよす)は、来週の【2023年1月25日(水)】に「お申し付けの品」のご用意をします。
▼給仕係の古渡(ふるわたり)は「使用人の動向」をご報告。「名古屋の本宅」での出番が増えています。
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▼鋳造係の白金(しろかね)が「本宅の鍵」の試算を。ご用命になる数量を伺いたい、と申しております。
お嬢様、旦那様、先日は「本宅の鍵」について、お声を寄せてくださり、まことにありがとうございました。
いま鋳造係は、試作第2号を進めながら、真鍮とシルバーの2つで試算をし、会計係に報告いたしました。
「仮住まいの鍵」よりも大きく、また本当に鍵が開けられることも、お給金に少しだけ影響しております。
ご存知のとおり、鋳造するアクセサリも、焼成するスコーンも、いちどに用意する数量が、そのお給金を
左右します。とくに今回、検討しております「亜鉛合金のスペア」の製法は、この影響を大きく受けます。
つきましては、鋳造係の白金(しろかね)より、お嬢様、旦那様の「鍵」ご意向をお伺いしたいと申します。
★「本宅の鍵」について。… https://forms.gle/FcrjiqnuDQx4aJpHA (土曜日に数字を報告いたします)
現時点の予価は、上記のフォームに記載をしておりますので、参考までにご覧くださいませ。この金額は、
ことしご用意するにあたっての上限とお考えいただければ幸いです。また「亜鉛合金のスペア」の検討を
すすめまして、可能であればこの給金のなかで実現したい考えです。なお目安は 1,000 と伺っています。
あまり大きな声では申せませんが、「本宅の鍵」のご用意は、数量によって変動するところがございます。
年に1度のご用意をお約束しますが、もっとも良い条件でご用意できますのは、今年とお考えをください。
アクセサリや、飾りとしても、お役に立てれば幸いです。そしていつか、ご帰宅の際お使いくださいませ。
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▼配送係の清洲(きよす)は、来週の【2023年1月25日(水)】に「お申し付けの品」のご用意をします。
先ほど、お伺いいたしました「本宅の鍵」も含め、執事の館・準備委員会は1月の「お申し付けの品」を、
来週の【2023年1月25日(水)】にご用意したいと考えております。平日の夜のお仕え、お役に立てれば、
まことに幸いです。先週から配送係の清洲(きよす)が、職人らと連絡をとり、段取りを進めております。
金城(きんじょう)が試作し、真夜中にばあやが絶賛した「ショコラと赤い果実のタルト」は素晴らしく、
池下(いけした)が恐縮しながら揃えた「牛、羊、豚のセット」のソースが興味深いレシピでございます。
また菅原(すがわら)の「チョコレートのシフォンケーキ」も美味。第3の燻製係の「ベーコン」も是非。
長くお仕えをしてきまして、もうご用意していないお品はないだろう、と思っていた節がございましたが、
お嬢様、旦那様、また美味しいものができました…驚きをもって喜ばれるお品ができました。またご報告を。
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▼給仕係の古渡(ふるわたり)は「使用人の動向」をご報告。「名古屋の本宅」での出番が増えています。
これまでのご報告にあったかと存じますが、いま調達係の笹島(ささしま)は「名古屋の仮住まい」にて、
お嬢様、旦那様のためにご用意していたテーブルを、2台、3台、つないで「白の部屋」や「赤の広間」に
置きたい考えです。この天板の大きさをイメージするため、まずボール紙で面積を表現、お納めしました。
いつか「名古屋の本宅」にご帰宅なさいますお嬢様、旦那様が、お席にかけて、お寛ぎになるとしましたら、
どれくらいの面積が、奥行きが適切か。これを知っているのは給仕係の古渡や、介添係の矢田であります。
このようにして「名古屋の本宅」は、使用人の出番が増えつつあります。この1週間の動向を報告します。
・給仕係/古渡…自宅の郵便受けにトレーニングジムのチラシが!正月に増えた仲間を減らす機会かも…。
・給仕係/八帖…アンチエイジング第一弾。リンゴ酢/黒酢ドリンクを毎日の生活ルーティンに致します。
・介添係/矢田…あたたかくて油断しますと凍りそうに寒い。春と冬が行ったり来たりで困っております。
・家事係/菅原…春先に着れる服を購入。とても気に入り、今か今かと、暖かくなる日を待っております。
・家事係/瀬戸…夢の中でもお仕えしがちな今日この頃。休息にも案外技術が要るものと知り試行錯誤中。
・家事係/石園…今季お初の街路樹イルミネーションを見かけ美しく。車窓からでも澄んだ空気感を感じ。
・家事係/有松…今年は本を沢山読もうと、本棚の整理整頓を。どれから読み始めようか頭を悩ませます。
・家事係/星ヶ丘…先日、"マヌルネコ"を見に東山動物園へ。楽しみで前日からドキドキしておりました。
・家事係/西川…今年も病気をせず健康に過ごそうと改めて考えました。まずは基本の手洗いうがいから。
・家事係/白川…1時間のウォーキングと自室でおこなう筋力トレーニング。心地よい筋肉痛が幸せです。
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伊集院光お坊っちゃまのお話で、もうひとつ素晴らしいものがございます。「檻の中のサル」のお話です。
檻の中に、3匹のお猿さんに入っていただきます。そして、上からバナナを差し出しますと、当然ながら、
少なくとも1匹は台の上に上がられます。このとき、出遅れた2匹には気の毒ですがお水を掛けるのです。
バナナを手に入れたお猿さんには、何もしません。しかし、バナナを食べなかったお猿さんには水をかけ、
それを繰り返していくと、1匹がバナナのため台に登ろうとすると、それを止めさせようとなさるのです。
いつしか、バナナが出されなくなっても、誰かが台に近づくだけで止められてしまう、というお話でした。
こちらも秀逸な例え話でございまして、伊集院光お坊っちゃまは「こうやって企業ポリシーが作られる」、
と仰っていました。「箱の中のハチ」のお話、「檻の中のサル」のお話、似たようなことは随所にあって、
私たち執事の館・準備委員会にも当てはまります。ただその時、誰も悪くはないというのがポイントです。
良かれと思って残したものが、本当は不要であった。良かれと思って助言したことが、本来の約束からは
外れていた。ひとつひとつの問題は決して大きくないけれど、誰も指摘できないし、動かすこともできず、
物理的にも精神的にも、身動きがとれなくなっていたのではないか、というのが松原の所感でございます。
なお「配送室」は、この2週間ほどで別の空間に生まれ変わって、必要ではなかったものを手放しました。
そして、ルールではなかったルールを取り消して、本来の5つのルールだけを大事にするよう改めました。
この取り組みをする途中、わたくし松原は清洲(きよす)や喜多山(きたやま)に、このお話をしました。
ということを、お嬢様、旦那様にご報告すべきか悩みまして、冒頭「お気持ちに響かないかもしれない」と
申し上げた次第です。つまらない話でしたら、今日だけはお許しください。ただ、この例え話をご存知で
いらっしゃったら、「親切のふりをした小さな恐怖でコントロールされること」が減ると思った次第です。
お嬢様、旦那様が属していらっしゃるところ、それは会社かもしれませんし、学校かもしれません。家庭も
趣味も、あらゆるところに「箱の中のハチ」がおります。そして「檻の中のサル」のパターンがあります。
お分かりのように、それは良い方向にも働きますし、悪い方向にも働きます。一概に否定はいたしません。
そもそも、名古屋のどこかにお屋敷を置く、という考えこそ「箱の中のハチ」ならぬ「街の中のお屋敷」。
動き始めて10年。実現するのは本当のこと。背景にございますのは、お嬢様、旦那様の想像力であります。
その豊かな想像力は、ご自身の幸せのためにありますように。わたくし松原は、心から願ってございます。
もしお気持ちに余裕がございましたら、鋳造係のために「本宅の鍵」について、ご意向お聞かせください。
「街の中のお屋敷」の扉を開くための鍵。真鍮とシルバーの2種類で、12種類の石からお選びください。
そのお屋敷には、ハチも隠れておりませんし、スコーンに手を伸ばしても水は来ません。どうかご安心を。
★「本宅の鍵」について。… https://forms.gle/FcrjiqnuDQx4aJpHA (土曜日に数字を報告いたします)
ソーセージに添えた砂時計。試験管に納めた6種の紅茶。良い紙の便箋。青い封筒。#名古屋の拠点 にて。
執事の館・準備委員会
広報係/松原(まつばら)
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私たち執事の館・準備委員会は、おおむね水曜日と、土曜日の夜に、お便りをしてご報告を差し上げます。
こちらをご覧になってのご感想や、ご意見などは Twitter と、このメールへの返信にて承っております。
(ただ返信はお約束できかねますこと、お許しください。)
名古屋のどこかにお屋敷を構えて、お嬢様、旦那様にお仕えしたいと申し出てから10年が経過をしました。
これまでの流れは、過去のお便りにございますが、1,000 以上もございますので、何とぞお許しください。
https://www.butlers-house.net/blog/entries
もし「主の目録」を所有なさいますと、とくべつなお便りのほか、ご予告、お申し付けの先回りが可能に。
ご帰宅の際のカップセレクトも限りなくしていただけます。「金貨」もご活用いただけましたら幸いです。
https://www.butlers-house.net/product?product_id=3887